悪役の方がいいでしょ？『文ストxヒロアカ』 (ページ35)

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３１＿多いんです。ページ35

『……』

変な夢だ

あの夢の中の人たち、どこかであったんだ

とうさん、か、あさんとよんでいた

僕は、親なんかいないんじゃないのか…？

あれ…俺の脳…？

わた、し、あれ、

頭が全ての情報を処理できずに、黒い霧がかかったように何もわからなくなった

条野「おはようございます。やっと起きましたか。」

『えっ』

この声を聞くまでは

条野「貴方、一日中寝てたんですよ。相当お疲れのようでしたね。」

カーテンから少し外を覗くと、夕焼けがその隙間から見えた

『すみません、事前報告を怠りました。』

条野「いいえ、お気になさらず。私が休みをもらっておきました。」

この人、ぁあ、合鍵か、

どうぞ、と器用に切ってくれたりんごを食べながら視線を落として少しまた考えた

…ん？

あれ、軍服じゃない…

条野「ぁあ、それと、着替えは済ませましたよ。」

『ヘァっ？！？！』

条野「Aさんは女性でしょう？」

『ヒェっ。』

条野「あ、それと監視器具も全て取り除いてあります。」

『かん…ぇえ？！』

ちょおおおっと待ってください、

情報量が、多すぎます。

１。何故バレた。

いやまぁそれは着替えをされたから、わからないと逆におかしい。

２。着替え？？？？

何でまたよく知りもしない僕の着替えなど？？？？？？？

３。監視器具ってなんぞや。

僕監視されてたんすか？？？え、誰に？？？？？・

条野「ふふ、色々戸惑っているようですね。」

『は、はぁ…』

まだ情報処理中で、よく脳が追いつかず、曖昧な言葉でしか返せない。

条野「…色々と助けて差し上げたんですよ」

条野さんは隣の椅子に腰掛けていたのを、僕の隣に座った

条野「代償、いただきましょうか。」

妖しげに笑った彼の手が、背中に回って、意図的に腰に触れた

『っ…、』

潜入がバレていて、情報を聞き出そうとしているのか、と思い、

さっと顔から血の気がひいた

条野「ふふ、なんてね、冗談ですよ。何らかのお礼は欲しいところですが。」

クスクスと笑うと彼は僕から離れてまた隣の椅子に座った

『すみません…ありがとうございます…』

なんだ、バレてないのか…

変な心配をしたな…

条野「仲間ですからね、何もなかったようでよかったです。」

貴方がいる時点で何もなくないんですよ。

家なのに気が抜けない…