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6話 偶然の死神 ページ7

「お客さん、これでもこの国では最安値だぜ?」




スポーツ刈りの陽気な男は頭を掻きながら皮肉のようにクレーマーの対処をする。所以、実に納得であるが。普通ならば5個以上なぞ余裕に買えてしまう。


「フン!この国はどこからツッコめば良いのか分からないな‥リンゴが1000円…高級品ならまだしもっ!!!こんな貧相なものこの俺には似合わん!!」
「あれ、この声…」


アクアはこんな城政なのに賑やかとしているこの城下町にほんの少しだけ響く聞き覚えのある声を聞き取る為に集中していた。
「アロマって弓使う癖にメガネ野郎だから耳をすませばするしかないよね」
「もはや1文字しか合ってないから!!!てかそれ出しちゃダメな奴だから!!!完全オリジナルのストーリだからこれ!!!」
「クソ食らえぇッ!!!…エデンの園にでも出向くか…?」


「あぶねっ!!!!」
飛んでくる高値のリンゴ。握り潰されて果汁は辺りに撒き散らしていく。
ユーカリはおニューの服を汚さないようにと素早く避けた。




「何やってるの?アルヌス」
ミクオは店の中に足を踏み入れる。
「……は?なんで上が…!?」
白髪の赤目、まるでアルストリカのような見た目。
こう見えてミクオの実の『弟』である。


「店のものを外に投げちゃ駄目だよ。親に教わらなかったの?」
「うるせぇ!!上には関係無いだろ!!ここの物価がおかしいんだよ!!!」
そう言うとアルヌスは無質量から鎌を生み出す。ミクオは人間だがアルヌスは死神なのだ。
「『連れの奴』もいなくなっちまったし散々だっつーの!何でいるかは知らないが…ここで会ったが百年目、そろそろ魂を貰ってもいいだろ?」
とは言うものの。
アルヌスはミクオとは正反対だが、今では信頼を置き別行動を取っていても和解をしている。
だが今の現状は私情を持ち込み腹いせに店を荒らす正に風神雷神図。


怒りに身を任せ鎌をビュンビュン振り回すアルヌス。
「ちょこまかちょこまかと!!だから毎日毎日母さんを心配させるんだッ!!」
「一回落ち着けってば〜」
「ああああああああ店がぁぁぁぁぁあ!!!!!」
無論。斬波で店の中はしっちゃかめっちゃかになっていた。
「おいっ!!!やめるんだ二人共!!!…店の修繕費や弁償代金は前ブウェルガが国から貯めていた宝石でどうにかなるかな…」
「宝石?そんなボロクズなんていらねぇよ!!!今必要なのはおいしい食べ物、明るい未来、そして大量のメルだ!!!」
「…宝石を売ればいいんじゃないのか?」
アルは不意に思った事を打ち明けた。

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作者名:ミミック | 作者ホームページ:https://twitter.com/neidangel  
作成日時:2016年8月16日 20時

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