5話 侵入 ページ6
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ワープホールを抜けると一陣の風が抜ける。
ジークの淵ほどに存在する岩と砂の上に聳えるは巨大な城壁。
「前よりかはおどろおどろしくないけど…」
アクアはPCについた砂埃を払い落とす。
「なーんか闇を感じるんだよねぇ」
そこら中にある石ころを近くにある手頃なものから片っ端に蹴るミクオ。
具体的に言うとここは城内の端だった。周りには兵隊はおらず、まるでどうぞ侵入してくださいと言わんばかりに静まりかえっている。はたまたこれが敵の策、門をくぐり抜けたが最後だったりするのだろうか。
「とりあえずここを抜けて…宿でも探そうか?」
「そうですね」
ユーカリの意見に賛同し城内を抜けると城下町。あるのは大体の鉄則だが、店の様子を見てとある違和感を覚えていた。
「……?」
アルは首を傾げる。
「どうしたの?アリ」
「……アル。ここの通貨って……1つどのくらいなんだ?」
アルは果実店の値札へと目を凝らす。
「確かー……!?」
眼鏡をかけたり外したりレンズを拭いたりと忙しいアクアの様子はいつものではなかった。
「どうしたんです?」
「どうしたの?アクマ」
「アクアだから……通貨の単位は1メルでー…それが大体…現実世界では……1円でー…早い話が…」
リンゴの値札には1000と書いてあった。
「え?つまり1000円?」
ユーカリは顔をしかめて引き気味になる。無理もない。
「うっそだぁ!?なんでや!?もはや意味分からん!!」
通常は高くても200円で買える。
「これは税のせいなんですかね…?」
「They?」
「なんでそういう言葉は覚えるんだ意味も分からないくせに…うーむ、実に訳がわからない」
皆が皆首を傾げるだけ。
「おい、なんだこの値段は!」
リンゴの値段にいちゃもんをつける客がいた。
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作者名:ミミック | 作者ホームページ:https://twitter.com/neidangel
作成日時:2016年8月16日 20時