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2話 嫉妬 ページ3

「多分僕の世界の住人なんだろうけど聞いたことないなぁ…」
ミクオも項垂れる。
「お前の名前に関する記憶力はクソだからアテにしないぞ。ブウェルガの中の悪魔か…アイツただの宝石暴力男だと思ってたんだけど」
「アクアさん本音が…」
ふと可愛らしい声が聞こえた。
「んん…」
長くなった髪の毛をベッドに広げアルストリカは起き上がる。
「あ!アルストリカ!」
「あ、アクア!」
アクアが起き上がれるようにと手を伸ばす。


とそこに一本の幹のような棒状の何かが目の前をよぎる。
アクアの髪の毛はチッと音を立てて擦り切れた。
「ファー!!!!????」
アクアは尻もちをつき、わしゃわしゃと後退りした後に突き刺さったまるでタコのようにヌルヌルとした『触手』は空を斬りながら元の体に戻っていく。衝立(ついたて)の奥に人影があった。

「……………………貴様、主人に何をするつもりだ?」
この世のものとは思えないほどの輝きを放つ銀髪の青目の男がそこには鎮座していた。
「ああ、ぁぁああの、僕は、そのっ」
壁に突き刺さった触手の跡からボロボロと壁紙の中のコンクリートが落ちていく。
「待ってレヴィアタン!!この人達は敵じゃない!仲間です!」
大人びたアルストリカの敬語。レヴィアタンという男には効果絶大だった。
「しかし……おい貴様等、名を何と言う」
「名を名乗るのはまず自分から、ですよ?」
レイは微笑みながら皮肉を口にする。
「チッ……俺は悪魔【レヴィアタン】。主人と契約をしている。」
「ごめんなさい、レヴィたんは私の事を守ってくれてるの…あまり嫌に思わないでね?」
アルストリカは毛布を胸に手繰り寄せうつろげな顔を浮かべる。
「ま、まぁ危険性が無いのならいいんだけど…」
「僕はミクオー!!!エグラードル=アノイ…なんだっけ?」
「自分の名前忘れるなよ!?」
どっと笑いが起きたあと辺りは楽しさに包まれる。
「主人、君の友達は皆愉快だな」
レヴィアタンは触手をしまいタオルでアルストリカの汗を拭く。
「えぇ………そうね。レヴィたん、聞きたいことがあるんだけどね…」
「主人、答えられる範囲なら何でも答えよう。」


「……………詳しく思い出せないの……【ブウェルガ】の事が」

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作者名:ミミック | 作者ホームページ:https://twitter.com/neidangel  
作成日時:2016年8月16日 20時

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