12話 優しさに触れて ページ14
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さて、現在のハニメ王国に遡る。
アルヌスがクロユリ、そしてルーガとディアボロスに連れて行かれた後ミクオは店を直したところだ。
店主から城で明日舞踏会が行われることを小耳に挟む。
チャンスだと思ったNeid Angelはつまり城の『ホール』は警備は固くなるがそれ以外の場所は脆くなると考えた。
そして明日の朝に国王からスピーチが行われるとのこと。この情報はダインから聞いているものなので信憑性が高くなり、宿が必要と考えた。
「とりあえず今日は帰らない方がいいな…いつやるか分からないらしいし、この世界にいれば聞けるんじゃないかな」
「なるほど、そういう事ですね。でも宿代も高いのでは…」
「げ。確かに以前ブウェルガが貯めていた資金は山ほどあるけど辺鄙な土地の高い宿屋くらいじゃあねぇ」
「ん、あんたら泊まる場所探してんのか?なら俺の店の裏の母屋貸してやるよ。俺にも余裕がねぇから飯は出さねぇけどな。」
何と気前の良い店主だろうか。
彼らは店主に頼み込み、一日小屋を借りることになった。
「どうだい?………まー何ていうか、とりあえず一晩は過ごせるって感じだろう?」
こじんまりとしているが、ここにいる少年少女は普通に足を広げて寝れるスペース。
「これ、一応布とか用意しといたから自由に使ってくれ。あ…でもちぎったりするなよ。繊維はこの国じゃ食い物の2番目に高いんだぜ」
「わぁ!何から何までありがとうおっちゃん!」
「まだおっちゃんって言われる歳じゃねぇんだけどなぁ…」
頭を掻きながらも感謝には変わりない。
「ところで…あんたらは何しにこんな国に来たんだ?入る事も出る事も難しいというのに」
周りを見ながらニヤニヤとする。
「あぁ。気にすんなって」
ユーカリはニコッと店主に微笑みかける。
「明後日までにはきっと全てが変わってますよ。」
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作者名:ミミック | 作者ホームページ:https://twitter.com/neidangel
作成日時:2016年8月16日 20時