自然天然森ガール？~賢者の石(終)~ (ページ20)

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番外編～楽しい薬作り(3)～ページ20

何とか道具たちを片し終え、机に座る先生の元まで行く

どうやらまだ書いているようだ

これ帰っていいのかな…

ああ、でも私の事について色々してくれてるんだしコーヒーか紅茶でも入れてあげたいな

『先生？勝手にポットとかその他諸々使ってもいい？』

セブ「…ああ」

『コーヒーか紅茶、どっちが好き？』

セブ「…ああ」

あれ、もしかして聞いてない…？

まあ、とりあえず紅茶でいいかな…

私は棚からティーポットと茶葉を取り出して、紅茶を入れた

『はぁ…いい匂い…さすが先生。センスいいなぁ』

紅茶をカップに注ぎ、お土産として持ってきていたクッキーをお皿に乗せる

『先生、紅茶淹れたから休憩しません？』

セブ「…ああ」

うん、多分これさっきと同じで聞いてない返事なんだろうな

私は先生を呼び寄せるのを諦め、一人分のカップとクッキーをそっと先生の机に置いた

そして強制的にでも認識してもらおうと顔を覗き込む

『先生、紅茶勝手に淹れました。あとクッキーは私が作ったの、良かったら食べてください。それと…ああ、私邪魔だったら帰るし言ってください』

一方的に話しすぎてしまった…

セブ「…頂こう。帰りたければ帰ってもいいが…邪魔ではない」

『え、じゃあここに居てもいいんですか？話しかけちゃうかもしれないけど…』

セブ「勝手にしろ。」

『…やっぱり先生って何だかんだ優しいね』

セブ「勘違いも甚だしい。報告書を書くにあたってお前がいた方が何かと都合がいいだけだ」

ああ…まあ…とにかくここに居ていいってことだしお言葉に甘えよう

それからは先生が報告書を書くのに使う本を探したり、紅茶のお代わりを入れたりして過ごした

『ねぇ、セブルス先生。先生ってその怖い顔やめたらきっともっと人気になるよ、顔はかっこいいし優しいもの』

セブ「…戯れ言を言うな。何を企んでる？」

『え、何も企んでない…あー…でも、先生が人気者になったらこんな風にゆっくりお話出来なくなっちゃうのかな…それは寂しい』

セブ「…貴様ほどの変わり者は他にいないだろうから安心しろ。我輩に軽口を叩けるのは貴様だけだ」

『それって…ふふ、先生にとって唯一の存在ってわけですね』

セブ「…嫌味に気づかないほど鈍いのもお前ぐらいだな」

上機嫌な少女と呆れ顔の教師

その光景は異様なものだった

しかし、その空間は誰が見ても分かるぐらい

優しく穏やかなものだった

(終)