自然天然森ガール？~賢者の石(終)~ (ページ16)

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番外編～森ガールの誕生日(5)～ページ16

パーティーがお開きになり、私は貰ったプレゼントの数々を皆に手伝ってもらいながら部屋へと運んだ

プレゼントくれた人で会えてない人が居たらお礼言いに行かなきゃだし…そう思い、手渡しされたもの以外のプレゼントを開封していく

煌びやかな包装をされたプレゼントの山の中、真っ黒な包みを見つけた

シルバーのリボンが掛かり、「Happy birthday」と書かれたカードが挟まれた包みを見て、直ぐに誰からか分かってしまう

差出人は書いてないけれど、この匂い、空気、色、全てがその人を物語っている

セブルス先生からだ

中にはとても綺麗な羽根ペンが入っていた

先生がくれるとしたら薬草とかかと思ってた為驚く

その美しい羽根ペンに数秒の間目を奪われる

きっと名前を書かなかったら自分からだとは気づかれないと思っていたのだろうけど、私は気づいてしまった

それなのに黙っていられるわけがない

私は早速セブルス先生の部屋へと急いだ

先生の部屋のドアをノックする

「入れ」と声をかけられた瞬間ドアを開き、机に向かうセブルス先生の真横まで来て

抱きついた

セブ「！？何をしている！離れろ！」

『あっ、…すみません、ついつい気持ちを抑えきれず…』

ハッとして慌てて体を離し、頭を下げる

セブ「はぁ…一体何の用だ」

『セブルス先生、プレゼントありがとうございました。私本当に嬉しくて、あんな素敵な羽根ペン貰えるなんて思ってもみなかったし…何より先生が私の為に用意してくれたのが本当に嬉しくて…それに…』

制御出来ず饒舌に話すと、先生はとても驚いた様子で少しだけぽかんとしている

先生のこんな表情珍しい…

そう思い、口を噤んでじっと顔を見つめる

数秒見つめあった後、先生がゆっくり口を開いた

セブ「…なぜ、我輩だと？」

『だって、先生の匂いがしたもの。』

セブ「はぁ……その羽根ペンはしっかり勉強しろと言う意味だ。分かったら部屋に戻って復習でもしたらどうかね？」

『うん、頑張ります。何にせよ、嬉しかったから、ありがとう、先生』

セブ「…用が済んだなら出ていけ」

追い出されてしまったけど、嫌な気持ちになんてならない

何処か気恥しそうな、いつもより僅かに柔らかな空気を纏う先生を見て、温かい気持ちが広がる

ああ、本当に、素敵な誕生日

家を追い出されたおかげでこんなに素敵な思い出を貰った

そんな風に思えるくらいには私の心は幸せで満ちていた