また、会える。 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:1,155 hit

長女の優しさページ9

白side

今回の体育祭で優勝した俺はベッドの上に寝転び、勝利の余韻に浸っていた。

その時、ドアをノックした音がした。

母「入っていいかしら？」
白「大丈夫だよ。」

母さんが部屋に来ることが今であまりなかったから、何かあったのかと心配になってくる。が、まず起き上がる。

母「失礼します。」
父「休み中だったかい？」

今度は、驚いた。母さんと父さん、二人で俺の部屋に来るなんて。何かやらかしたかな？心当たりがない。

白「ううん。ただゴロゴロしてただけ。」

不安で仕方がないが、とりあえず返事だけしておく。

両親は俺の返事を聞くと安心した顔をして、俺と同じようにベッドに腰を下ろした。そして、ゆっくり話始めた。

母「今日の体育祭凄かったわ。特にラストのリレーのアンカーを走っているところ。」
白「待って！今日来てたの！？」
父「あぁ。しっかり、カメラを構えてな！」

と、未来と同じ眩しい笑みを浮かべて爆弾を投下した父親をどうにかして欲しい、、、。

父「実は、天に言われたんだ。１ヶ月前に。」
母「体育祭に来て欲しいって。」
父「忙しいのはよくわかる。でも、今回だけは来て欲しいと。」
母「必死に頼んできたから、どうしてと聞いたのよ。そしたら、最後だからって言われたの。」
父「白の高校生活最後の体育祭、そして・・・未来と白が勝負できる最後の体育祭だからどうしても見に来て欲しいって。そこまで頼まれたら見に行くしかないと思ってね。」

ちょっとだけ鼻の奥がつーんとした。いつも、人に興味を持っていないふりをする妹からのプレゼントが素直に嬉しかった。本当は誰よりも人を気をかけている天がとてもいとおしく思えた。

そこからは家族らしい会話をたくさんした。学校のこと、友達のこと、双子のこと。両親は俺の話に耳をずっとかたむけてくれた。

家族の温かさを思い出した。