素直(Hi) ページ6
*
素直になれない私。
可愛いことなんて何一つ言えなくて。
だけどね？
あなたの事
すごくすごく好きなんだ。
言わなくても伝わってて欲しいって思ってる。
そんな私は
やっぱり可愛くないかな。
「どうしたの？」
「ううん...なんでもない」
あの暑さが嘘だったんじゃ無いかってくらい
いつのまにか街ゆく人は暖かい服を纏っていて。
冷えた両手を口に当てて息を掛けた。
「あーどっか店でも入る？」
「うん...」
察しの良い彼は
私に気を遣ってそう言ってくれたけど。
ほんとはね、
そうじゃないの。
ほんとはね、
手を繋ぎたいだけなの。
そんな事も簡単に言えない意気地無しな私。
いつもあなたから貰ってばかりの私。
これじゃダメだって思うの。
だから...
「手...繋ぎたい」
「...え？」
少し前を歩く彼が私を振り返って
驚いた顔をしたけど
ふわっと咲く笑顔と共に手を差し出してくれた。
「珍しいね、Aからそんなこと言うなんて」
「...手、冷たくない？」
「俺、あったかいから丁度いいよ」
絡まる指先。
彼の熱を奪ってく私の手。
だけど、横顔をみれば嬉しそうに頬を緩めてくれている。
ああ、好きだなー
なんて、心底思う。
ほんの少しの勇気だけど
私の中でその壁は大きくて。
好きって気持ちを伝えるにはどうすれば良いのだろうとか。
重いって思われないだろうかとか。
ごちゃごちゃ頭の中で考えちゃって。
そんな悩みも彼は飛び越えて来てくれる。
受け入れてくれた安心と
言って良かったって気持ちと。
寒いのは嫌いだけど
彼と身を寄せられるなら、
悪くないなんて思った。
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名前を一度も出してませんが、イメージはヒロさんです！笑
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まるのうち(プロフ) - ノアーさん» コメントありがとうございます！好みに沿えて嬉しいです🍀 (2022年10月10日 0時) (
レス) id: 214dd9e1b7 (このIDを非表示/違反報告)
ノアー(プロフ) - お話すごく好みです🤧更新楽しみにしてます〜💕 (2022年10月9日 22時) (レス) @page6 id: 2de0e561d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるのうち | 作成日時：2022年9月26日 0時
