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Side: GREEN
「たっだいまーー!」
ドアを開くと、愛おしいわんこが全速力で抱きついてきた。
「遅くなってごめんね、シェリ」
柔らかい毛を撫でれば、嬉しそうに舌を出してくる。
…かわいい。
時計を見れば、まだ22時。
汗をかいたのでさくっとシャワーを浴び、ソファに沈む。
もちろん選んだBGMは、さっきまで目の前にいたアーティストの曲。
プシュッと空気が抜ける音がすれば、乾いた喉に張り付く清涼感。
「ぁあ、うまっ」
1人でお酒を飲むのは久しぶりだ。飲む時は基本誰かといるし、そもそも俺はお酒が弱い。
非日常の気分を味わい、気持ちよくなってきた。
「へへっ、たぁのしぃなぁ」
カラコロとアルミ缶が床に転がる。いつもは一つなのに、気づいたら三つ。
洋楽の軽快なサウンドにさっきまでの興奮が蘇ってきて、酔いを助長する。
わんこが心配そうにこっちを見つめるのにも気づかず、俺は快楽へと溺れていった。
〜〜〜 〜〜〜 〜〜〜 〜〜〜 〜〜〜 〜〜〜 〜
ブー、ブー、ブー。
机の上で、黒い板が振動する。手を伸ばして、ボタンに触れる。
「ぇへ、だぁれぇ?」
『慎太郎?何、酔ってんの』
「わぁ、ほぉくとだぁ。ぉれ、しんたお」
『ちょっと、飲み過ぎじゃない?呂律、回ってないよ。誰かいんの?』
「いなぃよぉ。ぉれ、ひとぃ」
『ねえ慎太郎、ちょっと待ってて。今行くから』
通話終了の合図が鳴る。
「ぇえ?なぁんで?」
…あれ、電話、切れちゃった。
よくわかんないけど、相手は北斗だったみたい。
珍しいなあ、北斗から電話くるの。とか、呑気なことを考えていた。
空には、満天の星が煌めいていた。
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作者名:SUnfLoweR | 作成日時:2023年1月29日 12時