猫目魔法使いが可愛すぎる (ページ1)

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1話 (序章) ページ1

「はっ……はぁっ……」

喉から出た生暖かい息が凍てつく空気に触れて水滴となる。
少しでも口を閉じていないと肺から凍ってしまいそうだ。
手足の感覚は既に無く、体は寒いと訴えることさえ疲れてしまったようだ。
あと少しで目的地に着くと自分に言い聞かせ必死に足を動かす。
ゆっくり、ゆっくりと、確実に意識が遠のいてゆく。
瞼が重くてどうすることも出来ず、
ただただ意識が遠のく感覚だけが自分の意識を確かにしている………、

視点切り替わり

「ほう、雪か……。ん？これは……」

つい最近まで真夏だったのだが。と、季節の移り変わりを感じていると、何か良からぬものが竜の国に侵入したことを察知する。直ぐにその現場を訪れ、密猟か……それとも同士か……と、考えを巡らせていると、どうやら密猟の類では無いことに気づく。

「おいお主、大丈夫か？」

そこには齢18にも満たないような少女が、虫の息で力無く倒れていた。どう見ても大丈夫では無い様子に「大丈夫ではないように見えるのですよ……」と、思わず力無くつっこんでしまう。

「ふむ……確かにこのままでは危ういな。
セルキー、テントに連れて行くので手伝ってくれ。」

「はぁい、なんでこんなとこに倒れてたんでしょうねぇ。こんなちっこい人間が」