【文スト】氷菓と花火に、夏色列車【短編集】

七夕×国木田独歩 ページ4

国「七夕ぁ？そんなものしてる暇があったらさっさと仕事をしろ、仕事を、このど阿呆」

えーっ、いいじゃんいいじゃん！！と駄々をこねる20歳、Aでございます。
今日は一年に一度の七夕！特別な日。

貴「織姫様と彦星様が一年に一度出会える日だよ！？今日くらいいいじゃん！ねぇ！？」
国「煩いど阿呆！！」

むー…
怒られた。結構ガチめに。

貴「私はただ独歩と一緒に七夕飾り作りたいだけなのになぁ…。そんな怒ることないじゃんよ〜…」
国「…」

なんて、ぶつぶつ呟いてみる。も、効果なし。ちょっと悲しい。

貴「あ〜ぁ、折角賢二君が御近所さんからおっきな笹もらってきたから一緒に飾り付けたかったのになぁ…」

更にぶつぶつ攻撃！すると、独歩にぴくっと反応があって、

国「はぁ…。ったく、少し待ってろ、すぐに仕事を終わらせる。そしたら付き合ってやる。」

なんて言ってきて。

貴「素直じゃないなぁ」

とからかえば、

国「うっ、煩い！！」

と返ってくる。そんな独歩が可愛くて、仕事の邪魔をしないように、黙って見てる。

国「…はぁ、終わったぞ。で、何するんだ？」
貴「待ってました！！」

じゃ、これ書こ！と言って差し出したのは短冊。私が一枚と独歩が一枚の計二枚。

国「…これは何だ？」
貴「独歩知らないの？短冊だよ、短冊。お願いごとをかいて、笹に吊るすの！さっ、書いて書いて！！」

そう言って私も先にかきはじめる。
二人が筆を走らせる音だけがしばらくなり響く。

貴「でーきたっと。独歩は？どう？」
国「…出来たぞ。」

見ーせてっ！と頼めば、誰が貴様なんかに見せるか、と返ってきて。

貴「む〜…。ケチ！」
国「そういうAは何を書いたんだ？」
貴「私？」

私はねぇ…、とここで少し溜めて微笑む。



貴「独歩とずぅーっと一緒にいられますように！」

そう言えば、独歩は真っ赤になっちゃって。

貴「さ！私が言ったんだから、独歩も言ってよね！」
国「なおさら見せん！！/////」









『Aとずっと一緒にいられますように』

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