◾︎あの日はたしかに涼夏だった（🛼R.H） ページ20
．
「…涼」
『…なぁに(笑)』
「っ、別れよっか」
夏が始まってすぐ、別れを告げたあの日泣いていたのは私だけだった
「お〜い、のめよぉ〜」
「先輩、飲み過ぎですって」
仕事終わり
大きい案件が終わってチームのみんなと飲み会に来て早い段階で出来上がってしまった私
二個下の後輩である作間くんの制止する声が遠くで聞こえた気がするけど飲み進める手は止まりそうになくて
明日は休みだし、久しぶりの酒を四肢まで入れたいという欲のままに飲んでいると突然手元からグラスが消える
だれ、と思って顔を上げると違う部署でここにはいるはずのないあの人がいて
『A、もうそろそろやめとこ？』
「…んー、まだのむ」
『だぁめ』
多分、作間くんが呼んでくれたんだろうな
愛しかったはずの彼は付き合っていた頃と変わらない距離感で、私のことを全部分かってるみたいに残った酒を私から遠ざける
もう、別れて半年以上経つのに、どうしてそんなに優しい目で見るの
『じゃ、俺たち帰りますね』
「やぁーだー」
『やだじゃないの(笑)』
よいしょ、とか言いながら軽々しく私を背中に乗せる
この広くてしっかりとした背中、懐かしいな
ゆったりとしたスピードで進むその足は眠気を誘うにはちょうど良くて、でも絶対家に帰るって意思を持ってるからなんとかそれに抗う
『…A？家帰る？それとも…作間のとこ行く？』
「…っ、いえ」
『じゃあがんばって起きててね(笑)』
なんでそこで作間くんの名前が出るの、なんて突っ込む余裕もないけど、選択肢に涼の家がなかったことには少し悲しくなって首に回した腕に力が入る
別れを告げたのは私からだっていうのにね
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鈴黎(プロフ) - まっちゃさん» コメントいただきありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！検討しますね💭 (2022年11月7日 0時) (
レス) id: ce9b284c17 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 初めてコメントします！内村くんのお話展開が気になりすぎて、、、ぜひ長編待ってます、、！(̨̡ ⸝⸝ᐢ.ˬ.ᐢ⸝⸝ )̧̢ (2022年11月4日 14時) (レス) @page19 id: 9e20ae1596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴黎 | 作成日時：2022年10月25日 21時
