▼大事な子 ページ10
2人で映画を見たあの日から時間は過ぎ去っていつの間にか木々からは葉が落ちて少しの肌寒さを感じるようになった
あれ以来翔馬くんはどこにいてもすぐに駆け付けてくれて、私が少しでも不調だと過保護なくらい心配してくれるようになった
もちろん、それは助かっているんだけどあじも黒ちゃんも若干引いているレベルでいきなりどうしてっていう疑問の方が勝つ
それに、あの日以降頭痛がどんどん酷くなってるし、毎日のように悪夢を見るようになった
「ねぇ、A、ほんとに頭だいじょぶ？休む？」
「…大丈夫だよ」
翔馬くんとのこのやりとりも今日だけで何回したんだろう
「ねぇ、やっぱ2人なんかあった？」
「ぅえ、そう…かな？」
「ごまかしかた下手すぎじゃん？」
放課後、翔馬くんが迎えに来るまでの少しの時間で問い詰められるように2人にジトッと見られる
なんかあった、といえばあったけど、翔馬くんが過保護になったっていう意味での回答は生憎私も持ち合わせていなくて、
どう答えていいのかわからなくて眉根を寄せる
「あれだよね、俺らが予定あって行けなくなった日から2人の距離が近くなったよね」
「それなー！ぜったいひらつ告ったじゃん！」
盛り上がる黒ちゃんを横目に、え、なんでそこまでバレてる、って内心ドキドキする
その一方で難しそうな顔をしているあじも「まぁそうだとは思ってたけど」ってあっさり言っちゃうから、何、この人らも心読めるタイプの人種なの
驚きを隠せずに思わず一歩後退るとミルクみたいな優しい香りが後ろから私を包み込んで
「ん、告ったよ。Aはおれの大事な子だから2人でも傷つけたらゆるさないよ？」
突然耳横に聞こえる普段通りの間延びしたその声にまた驚いたけど、横目に見えた大きな瞳が暗く澱んでいて身震いしてしまう
「こっわ〜！激重彼氏かよ！」
ケラケラと笑う黒ちゃんにつられて笑ってしまう私と翔馬くんとは反対にやっぱり難しい表情のままでいるあじ
声をかけようとしたけどいまだに後ろから首に回る腕がダメとでもいうように強くなるから断念
私にもみんなの心を読める力があったらよかったのに、と少しだけ思った
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るり(プロフ) - 続きが気になりすぎます！待ってます！！ (8月9日 15時) (
レス) @page11 id: 1e57c86ebd (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 続きが気になりすぎます！待ってます！！ (8月9日 15時) (レス) @page11 id: 1e57c86ebd (このIDを非表示/違反報告)
鈴黎(プロフ) - M氏さん» ありがとうございます！！絶賛スランプ状態ですがすごくうれしいです！！！！ (2021年5月17日 15時) (レス) id: ce9b284c17 (このIDを非表示/違反報告)
M氏(プロフ) - 突然すみません！！！すっごい好きです！！！！！！！！ (2021年5月16日 3時) (レス) id: 980dc5eeb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴黎 | 作成日時：2021年5月11日 23時
