▽ないない！ ページ37
「！？…ひ、ひらつ、くん…？」
動揺して声が変に裏返る
身体から変な汗出てるかもという心配をよそに抱きしめられる力がより強くなって、
ちょっと痛いよ、って言うとごめんって耳元で聞こえた小さな声
力は緩められたけど距離は変わることはなくて首筋に感じたひらつくんの息遣いにくすぐったくて身を捩る
でも冷静になればなるほどなんでこんな状態になってるのかわかんなくて、
「…あじのこと、好きなの」
「え？」
ポツリ、と紡がれた言葉の意味をうまく咀嚼できなくて思わず聞き返してしまう
「だからぁ、あじのこと好きなのって聞いてんの」
…私が、あじのことを好き…？
「え！！ない！！ないない！！」
友達としてはもちろん好きだけど恋愛対象として見たことはないから全力で否定する
それと同時に解放されたからひらつくんの顔を見てみると、きょとんとした顔でこっちを見てきてたと思ったらぷっと吹き出して口を開けて大きく笑った
「え！なんかおかしなこと言った？」
「いや？笑」
さっきまでの重い雰囲気はどこに行ったのかってくらいひらつくんは笑っていて、ほんと何だったのかな、
「あー、そうね、そうだったのね、うん」
「何に納得したの？」
ニコニコと笑うひらつくんはいや？なんでも？って言って2人のところに戻ろうとするから疑問だけが心の中に残る
…まぁ、その疑問はひらつくんの行動によって頭の中から消え去るんだけど
「ほら、戻ろ」
「…っえ」
右手に感じたひんやりとした感触
手が繋がれてるってことを理解するのはそう難しくはなくて、体の熱がそこに集中してしまうような感覚になる
これ、現実だよね…？夢じゃ、ないよね？
にやけてしまうその頬を空いてる左手でつねって確認するけどちゃんと痛みがあるから、現実じゃんってより頬が緩む
一瞬、その追いかける背中に他の誰かの面影を重ねてしまうけど、今はそんなことどうでもよくて、黙って後ろをついていくだけで幸せを感じることができた
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鈴黎(プロフ) - ふーかさん» コメントありがとうございます。今後わかっていくこともあると思うのでご期待に添えるよう頑張ります！5月から更新再開しますので気長にお待ちください(^ ^♪ (2021年4月27日 15時) (
レス) id: ce9b284c17 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 何か、難しいですね笑 最初らへんの主人公がうちむって言ったのも気になりますしこっち側とかあっち側とか、続きが気になってやばいです！更新待ってます！ (2021年4月25日 23時) (レス) id: c4a626600f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴黎 | 作成日時：2021年3月24日 17時
