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前髪をいじりながら廊下を歩いていたら、ドスドスと地鳴りみたいな音が聞こえてきて、近くにいた人たちも なんだなんだ と周りを見渡してる
『 あ、あの田中さんはこっちのスタジオじゃ、！』
「 たなか、……？！」
本能的に何かを察したわたしは急いでどこかに隠れようと踵を返して今来た道をただがむしゃらに走る
樹「 っみっけた、！」
なんでバレるの？！
声が聞こえても足は止めないように必死に走るけど、ヒールだから普通の2倍くらい遅いスピード
樹「 まっ、て！」
「 いやっ、」
掴まれた腕をほどこうと上下に振るけどビクともしない。ガリガリのくせに。
「 怖い、ストーカー、なんでバレんの！」
樹「 急にヒールで走り出す音すんだもん、俺から逃げるのAちゃんだけでしょ 」
やっぱりこのヒールのせいだったか。くそ。
「 …………離して 」
樹「 やだ。ちゃんと話したいの俺は 」
「 話すことなんてないよ。話しかけないでっ言ったよね？ 」
樹「 でもちゃんとAちゃんは答えてくれてる 」
「 っちが、！」
樹「 北斗にダメって言われたの？」
「 ちがう、」
樹「 あいつも余裕ねーな 」
「 ちがう！北斗とはなんにもないから！」
樹「 Aちゃんが俺をなんともおもってなかったら、引き離す必要だってなかったでしょ。実際ジェシーとはそのまんまなんだから 」
「 っ、」
樹「 ちょっとは揺らいでくれたの？俺にこれっぽっちもチャンスはない？」
「 やめ、て、」
樹「 俺だって北斗以上にAちゃ、」
パシン と乾いた音が廊下に響いた
思考よりも先に、体が動いてたんだ。もうそれ以上聞きたくなかった。
「 …………自惚れないでよ。田中さんはムリだから 」
こうでもしないと、またあなたはわたしの心にずかずかと踏み込んでくるでしょ。
だからそうなる前にわたしが壁を作らないと。分厚い大きな壁を。
「 爆モテだかなんだか知らないけど、それがなに？そうやって女を見くびらないでよ。わたしはそんな単純な女じゃない 」
樹「 ……知ってるよ、だから好きになったんじゃん 」
「 だったらお生憎様。あなたを好きになることは一生ないから 」
腕を掴む力が緩んだ隙を見てするりと振りほどく
もう、わたしに関わらないで。お願いだから。
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ハル(プロフ) - Twitterの方、フォローさせて頂きました！1人目になれて嬉しいです！更新楽しみにしています！！ (2019年8月14日 23時) (
レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - めっちゃ面白いです！この先のお話も楽しみにしてます! (2019年8月5日 6時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李苺
| 作成日時：2019年8月3日 21時
