青春 (ページ17)

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結局選挙は慎太郎の負け。
それでも馬鹿田のみんなの絆はより一層深まってる

カトレアのルールを一週間守れば焼肉弁当のご褒美っていうのも、あとちょっとの所でアウト。
不用心だったわたしを守ろうとしてくれただけだったから、それを説明しようとしたのに慎太郎が黙ってろって言うから言えずじまいで。

まあ、文恵さんが提案した罰則を守る訳もなく、上履きはロッカーの上に山積み状態だけど。

小百合「青いね」

「雲がひとつもないね」

小百合「綺麗」

授業が始まる直前にさゆりんに連れてこられた屋上
何か悩み事があることには気づいてるけど、一向に本題に入ろうとしない

「ねえ、さゆり…… 」

小百合「 Aには、何も悩みはない？」

「特にないよ」

小百合「本当に？」

「あったとしてもそんな大したことじゃないよ」

小百合「わたしには話せないことなの？」

「そういうんじゃなくて、」

小百合「じゃあ教えてよ。わたし、なんにもAのこと知らない」

わたしの両腕を掴んでぐっと距離を詰めてくるさゆりん

親に捨てられたなんて、さゆりんが知ったらきっとわたしを助けようとしてくれる。
でも、そんなのわたしは望んでない。むしろ慎太郎たちに迷惑かけるのも、そろそろやめたいのに。
はやく自立して、大人になって、1人で生きていける女になりたいの。

さゆりんとはこれから先もずっと、普通の友達でいたいから。

「 …………さゆりんには知られたくない」

小百合「そっか、聞いてごめん」

「ううん、わたしこそごめん。それよりさゆりん、」

小百合「喉乾いてない？」

「え、あ、ちょっとだけ、」

小百合「これ、あげる」

「ありがとう、？」

さゆりんから受け取ったペットボトルのキャップを開けて、お茶を喉に流し込む

「ん、おいし……い、」

あれ、？あたまがくらくらする、どんどんいしきが…………