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昨日ぶりの優斗くんの腕は、やっぱり少し腫れていた
「 痛そう、」
優斗「 もー、心配しすぎだって(笑)ほらほら、笑って？」
わたしのほっぺを両手で包み込んで、むにむにと遊ぶ
「 ん、ぶすになる 」
優斗「 ふは、かわいーよ(笑)」
「 目おかしいんじゃない？！」
ガバッと優斗くんに飛びついて、人の匂いを嗅いだだけでぐるぐるとお腹が動く
「 おなかへっちゃった 」
優斗「 倒れる前に飲んでください？」
「 いただきまーす！」
首筋を指で撫でてから、いつものように噛み付いて優斗くんが貧血にならない程度に血を吸った
「 んん、…………今日いつもより美味しい 」
優斗「 マジ？何食べたっけなあ、」
「 甘い 」
優斗「 じゃあ、ケーキとか？昨日食べたんだよね 」
「 ケーキ、」
優斗「 食べたことない？」
「 あるよ！あるけど、3年前とか、」
優斗「 吸血鬼って、そういう固形物食べちゃダメなの？」
「 わかんない、でも涼くんとかはあんまり好んで食べてないかも 」
優斗「 そっかあ、」
食べ物には無頓着で何も気にしたことなかったけど、これなら飛貴とも食べれるんじゃないか
そうすれば断らずに済むとおもい、今日の寄り道はケーキで即決
「 優斗くんはいつもお昼何食べてるの？」
優斗「 俺はねー、基本美味しいもんだよ 」
「 その美味しいものを聞いてるんだけど(笑)」
優斗「 えーっ、だって好みじゃん？！」
「 聞く人間違えちゃったなあ 」
優斗「 ひっでえな(笑)」
それから少しだけおしゃべりしてお別れをした
教室に戻ると、いつもの元気が消えてどこか寂しげな飛貴
「 どうしたの？」
飛貴「 俺、」
「 うん？」
じっと飛貴の目を見つめても何も返事は返ってこなくて、
挙句 まあいいや と濁された
飛貴「 行きたいとこ決めてくれた？」
「 うんっ！」
飛貴「 どこ？」
「 ケーキ食べたいなって、」
飛貴「 それ夕飯にならないとおもうんだけど(笑)」
「 でもいいの！わたし甘いのが好きなの 」
飛貴「 ふーん 」
素早くケータイに文字を打ち込んで、見せられた画面には綺麗な見た目のケーキばかり
「 すごい……、」
飛貴「 これ、食べに行こ！」
「 うん！」
久しぶりのちゃんとした食べものに、ちょっとだけワクワクするのは当たり前だよね
結局彼に送る言葉は見つけられなかった
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作者名：李苺
| 作成日時：2018年10月24日 19時
