◎ ページ29
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雄登「 ちょ、…………もっかい言って？」
「 もし、わたしが吸血鬼だったら、」
雄登「 もしじゃなくて、実際そうだから俺を呼んだんでしょ？」
優斗「 鋭いな〜 」
「 さすがだね 」
困ったように笑ってみれば、雄登は真剣な視線をわたしに突き刺す
雄登「 …………正直、信じられないよ。でもそう言われれば、今までの疑問がすとんと落ちるんだよ 」
涼「 疑問？」
雄登「 俺の背中の噛み痕も、あなたの首元から顔を上げた時のAの赤い目も、どこに行っても固形物を食べようとしないのも、全部全部 」
「 …………やっぱりわたしたちには、たくさん友達作るのは向いてないみたいだね 」
涼「 そうだね、(笑)」
雄登「 て、ことは、あなたも？」
涼「 ん、まあそんなとこ 」
「 優斗くんには、血をもらってただけなの。雄登にももらったことは2回だけあるけど、気絶しちゃうから 」
雄登「 記憶に、ないけど…… 」
「 それは記憶消したから、目覚ます前にね 」
雄登「 すごいな、本当にできるんだ、」
涼「 なんも疑わずに受け止めるなんて、すごいな 」
雄登「 むしろ普通の人間だって言われる方が、疑ってたとおもいます 」
やっと雄登に伝えられたことにホッと胸をなでおろした
「 雄登が、わたしを知りたいって言ってくれたから、」
雄登「 っありがとう、教えてくれて 」
ぎゅっと抱きよせられて、ドキドキと胸が跳ね上がる
優斗「 うわあっ、ダメージ5万、」
涼「 ほら、2人にさせてあげないと 」
優斗「 Aちゃん俺を忘れないでね〜っ 」
「 ふふ、忘れないよ、(笑)明日もここで会うんだもん 」
雄登「 え 」
「 なんで雄登が反応するの 」
雄登「 そ、れは………… 」
無理矢理教室から連れ出されていく2人を横目に見ていると、さらに強く抱きしめられる
「 ゆと、くるしいっ、」
雄登「 やだ、ふたりきりになるとか、妬ける、」
「 っでも、」
雄登「 …………ごめん、俺じゃ倒れちゃうからダメなんだもんね、ワガママ言うのやめる 」
首筋に顔を埋める彼を急に愛おしく感じて、そっと背中に腕を回す
かすかに首筋を掠めるその息がくすぐったくてしょうがない
「 あのね、雄登 」
雄登「 ん、？」
「 わたし、寂しがり屋なの 」
雄登「 うん 」
また、わたしは同じ過ちを犯してしまうのでしょうか。
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作者名：李苺
| 作成日時：2018年10月24日 19時
