baby gone (ページ5)

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「あ、お待たせ、！」

涼「 Aちゃん」

ふわりと風に揺れるフレアのスカート
風と一緒に舞って鼻腔をくすぐる彼女の匂いに頭がくらくらしそうになる

涼「ん、行こっか」

「うん」

絶妙に開いた距離をどうしようかと考えている間に彼女が俺の手をきゅっと握った

「離れちゃいそう、だから………… 」

涼「っ、うん、」

やっぱり彼女は男を惑わせる術を持っている

「お仕事、大変？」

涼「まあね、こうやって出かけるのも久しぶりかも」

「そっか。…………バレちゃわないかな、」

涼「 Aちゃんは気にしないで。俺がしたくてやってることだから」

「でも誘ったのはわたしだし、」

涼「じゃあ俺に任せて？こういうので隠れるのは得意だから(笑)」

「変装するの？」

涼「それもありだけど。
…………Aちゃんやってみる？」

「やってみたい！」

初めてのことにワクワクする彼女は可愛くて、今すぐにでも抱きしめたいくらい

マスクと帽子をつけただけなのに、それだけでソワソワしてて

「これって、バレてないの、？」

涼「わかんない。でも誰だかは判別しにくいでしょ？」

「ええ～そうかな。わたし、好きな人だったらすぐ気づきそう」

その言葉には何が含まれているのかなんて知りたくもない。

涼「楽しい？」

「うんっ！」

たまたま通り掛かったクレープ屋さんで彼女の好きなものを買ってあげただけなのに、こんなにしあわせそうな顔をして、俺を見つめてくれる

「橋本くん、いる？」

涼「いいの？」

「あーん」

涼「んん、…………おいしい」

「でしょ？甘いものが一番だね！」

“ ここ、ついてるよ ”
なんてクスクス笑いながら口の横についたクリームを指ですくってそのまま自分の口の中で溶かした

「ふふ、顔真っ赤だよ(笑)」

涼「っもう、」

きっと俺の気持ちは伝えるまでもなく、キミにダダ漏れ