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彼女にはあいつへの復讐心があるわけじゃない。
龍斗「 …………なんだよ、結局じゃん 」
俺のベッドでスヤスヤと眠る彼女の手に握られたケータイ
はしもっちゃんからの通知で画面が明るくなると、その背景はステージでキラキラ輝く瑞稀くんではなく、俺らにすら見せないような顔をした瑞稀くんと彼女のツーショット
きっと瑞稀くんのことだって本気で愛してたし、なんなら今もずっと好きなんだとおもう。
今までのやつらと、瑞稀くんへの態度が違うのは目に見えてわかったし、だからこそ俺には敵わないとおもってた
龍斗「 A、ただいま 」
「 あ、龍斗、おかえり 」
眠そうに目をこすりながら体を起こす彼女を、無理矢理自分の腕の中に閉じ込める
「 レッスン、疲れちゃった?」
龍斗「 ううん 」
「 じゃあどうしたの 」
龍斗「 なんか、気分 」
大好きだったあいつに傷つけられた分、それ以上の愛を求めるのは当然のことで
それを見つけられない彼女は苦しそうにもがき続けるばかり
こんなにも近くに、キミを愛してしょうがない男がいるっていうのにね。
龍斗「 はしもっちゃん、押しといたよ 」
「 ありがとう 」
龍斗「 …………瑞稀くん、」
「 聞きたくない 」
龍斗「 でも本気で好きだったんじゃ、」
「 そうだよ。だから聞きたくないの、わかってるから 」
彼女を求め続ける瑞稀くんの気持ちを考えると、同情で胸が締め付けられる
この際、俺が彼女に拾ってもらえないなら誰と付き合おうがどうだっていい。傷つけないっていう保証があるなら。
むしろ瑞稀くんの重すぎる愛は、彼女にはピッタリだとおもっていたけど、何がダメだったのか。
彼女が瑞稀くんを好きだと言うなら俺は瑞稀くんを押すし、はしもっちゃんが好きだと言うならはしもっちゃんを押す。
結局彼女中心に回る自分の世界に浸るのがしあわせでしょうがないだけだから
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しぇい(プロフ) - 私の作品で変なことがありましたら、1から教えてくれませんか?(小説の作り方)急で申し訳ないです。 (2018年10月18日 19時) (レス) id: 98a770bb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:李苺 | 作成日時:2018年10月13日 19時