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認めると言ったショッピさんは、まるで降参だとでも言うように軽く両手を上げた。
すぐにはその言葉が理解出来ず、固まってしまう。目を瞬き動かない私に対して、彼は今までの様子が嘘のように穏やかに笑った。言葉は無くとも、それが私への答えであり、自身の心と私の事を受け入れるという意味なのだとすぐに分かった。
『ありがとうございます』
「それはこっちの台詞や」
嬉しさを隠さず微笑みながらそう言えば、彼も同じように微笑み返してくれた。そんな彼の瞳にはもう陰りは無く、澄んだ淡い紫の光が湛えられている。紫水晶のような輝きを放つその瞳はとても美しかった。
「あの、一つだけ良いっすか」
『何ですか？』
少しの沈黙を挟んでから、ショッピさんは何処か気まずそうに口を開いた。しかし、次の言葉を言おうにも上手く言えない、そういった様子で黙ってしまう。何か言いづらい事でもあるのだろうか。
「嫌やったら、大丈夫なんで。もし良かったら、その……血を少しだけ貰えませんか？」
慎重に、丁寧に言葉を選びながらショッピさんはそう言った。声や様子、全てから私の事を気遣ってくれている事が伝わる。
此処に来てから、血を貰っても良いかと尋ねられるのは初めてだった。
シャオロンさんには確かに一応尋ねられはした。しかし、あれはただの形だけで。あの言葉は質問の皮を被った命令であり、そこに私の意思等必要とされていない。
私が断れば、ショッピさんは受け入れてくれるのだろう。彼は私の意思を尊重してくれている。それがとても嬉しくて、彼になら血を飲まれても構わないと思った。元々血は渡す約束だったんだ。こうして尋ねてくれた彼を断る理由も無い。
少しの恐怖もあったが、私は彼の言葉に頷いた。
☆*☆*☆*☆
Aの血をくれと頼んだ。 断られたら引くつもりやったが、Aは断らなかった。
Aは俺の事を何処までも受け入れてくれる。俺達魔物を受け止めてくれる。
それがとても嬉しくて、有難くて、やはりAは他の人間とは違うと思った。
「手を出してくれますか？」
『手ですか？分かりました』
差し出されたAの手を取り、人差し指の腹を爪を立ててそっとなぞった。線が入り、血が滲んでくる。すると、ふわりと甘く芳ばしい香りが漂い始めた。この程度の量でこの香りの強さ。確かにこの血は危険だ。
自然と口の中に溜まった唾液を飲み込み、俺はAの人差し指に口付けた。
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ユドーフ(プロフ) - 怪盗Nさん» ありがとうございます！！！嬉しすぎます...自分の好みが怪盗Nさんにも好いてもらえて良かったです！頑張ります！！！！ (2020年2月19日 18時) (
レス) id: 7bf2f68390 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗N(プロフ) - 控えめに言います。最高です。真面目に私の好きなもの詰め込んでる作品です！更新頑張って下さい！ (2020年2月18日 18時) (レス) id: 0017a7a923 (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルーンさん» ルーンさん…！！発狂寸前だなんて…本当にありがとうございます！！はい！復活したので、また更新していきます！コメント毎回とても嬉しいです！本当に、本当にありがとうございます！ (2020年1月7日 0時) (レス) id: b6d5c53f52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーン - コメント失礼しまーす！！ はい…うるさいっすよね。だって一番最初から見てたから＾＾続編来たとき発狂寸前でした…インフルエンザ辛いと思いますが、頑張って治してくださいね！応援します！ (2020年1月2日 2時) (レス) id: 0c6e119b4e (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます！！そう思ってもらえて良かったです！とても嬉しい言葉をありがとうございます...！はい！！頑張ります！ (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9a9478c8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユドーフ | 作成日時：2019年12月17日 23時
