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「分からない」
それはとても小さな声だったが、2人だけの静かな部屋にはよく響いた。
「あんたの事が分からない」
ショッピさんは俯いたまま、再びそう繰り返す。
分からない…それは私だって同じだ。彼がどうしてこんな事をしてくるのか全く分からない。
ただ、彼が分からないと言っているのは私という存在自体を指しているのではないか。彼の言動にはそんな雰囲気が感じられる。
「俺は人間が嫌いや」
彼はその言葉と同時に顔を上げた。紫水晶のような薄い紫の輝きを持つ瞳は、真っ直ぐ私を射抜いている。憎むような、恨むような表情をしているが、声や眼からは先程と同じような寂寞さが感じられた。
「だから、あの人らが人間に気を許してるのが気に食わない。あんたみたいな奴に変えられた事が気に食わない」
淡々と、まるで自分に言い聞かせるかのように言葉を紡いでいくショッピさん。
あぁ、そうか。彼はそれが恐かったんだ。彼の大切な人達が、突然やってきた私という人間の手により変えられてしまったと思っていたのか。
「俺達にとってあんたが害になるなら、俺はあんたを消さなあかん」
その言葉を言い終えると、彼の手が私の首にかけられた。触れた指から冷たさが伝わってくる。
「あんたが消えれば元に戻る筈なんや…」
ぐっと指が肌に食い込んだ。それだけで息苦しさを感じる。それでも、抵抗する気にはならなかった。これは抵抗するべき事ではないと思ったからだ。
すると、ショッピさんはこの行動が予想外だったのか、目に見えて動揺していた。
「っ、何で…何で抵抗せえへん？このままやとあんたは俺に殺されるんやで？！」
そう言うも、彼の手からは殺意を感じ取れない。感じるのは迷いだ。
「なぁ、何で…何で拒まないんや…頼むから拒んでくれよ…！そうしてくれへんと、俺は……」
『っ、ショッピさん…』
悲痛な声だった。彼を独りにしてはいけない。その声を聞き、そう思った私は、私の首に力をかける彼の手に自分の手をそっと添えた。
私の手が触れると、彼の手が少し強ばった。
『ショッピさん』
もう一度名前を呼ぶ。
「っ、触んな！！あんたが、あんたがあの人らを変えたんや…だから俺はあんたを」
『それは違います！！』
私の手を振り払おうとした彼の手を強く握り、未だ苦しい喉から声を振り絞った。
初めて叫んだ私を見て、彼は酷く狼狽えていた。
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ユドーフ(プロフ) - 怪盗Nさん» ありがとうございます！！！嬉しすぎます...自分の好みが怪盗Nさんにも好いてもらえて良かったです！頑張ります！！！！ (2020年2月19日 18時) (
レス) id: 7bf2f68390 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗N(プロフ) - 控えめに言います。最高です。真面目に私の好きなもの詰め込んでる作品です！更新頑張って下さい！ (2020年2月18日 18時) (レス) id: 0017a7a923 (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルーンさん» ルーンさん…！！発狂寸前だなんて…本当にありがとうございます！！はい！復活したので、また更新していきます！コメント毎回とても嬉しいです！本当に、本当にありがとうございます！ (2020年1月7日 0時) (レス) id: b6d5c53f52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーン - コメント失礼しまーす！！ はい…うるさいっすよね。だって一番最初から見てたから＾＾続編来たとき発狂寸前でした…インフルエンザ辛いと思いますが、頑張って治してくださいね！応援します！ (2020年1月2日 2時) (レス) id: 0c6e119b4e (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます！！そう思ってもらえて良かったです！とても嬉しい言葉をありがとうございます...！はい！！頑張ります！ (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9a9478c8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユドーフ | 作成日時：2019年12月17日 23時
