＊ ページ37
今まで私が見てきた彼は、温かくて、優しくて、彼が魔物だという事を忘れてしまうくらい人間のようで＿＿＿
だから、そんな彼がこんな空気を作り出すなんて、思ってもみなかった。
『オスマン…さん……！』
朗らかに笑い、ふんわりとした空気を纏っていた彼。しかし、今目の前に居るのは、それとは全く逆の雰囲気を持った彼だった。
「ショッピ君。何してんねんって俺は聞いてるんやけど？」
氷のように冷たい瞳。
温度を感じさせない声。
知らない…こんなオスマンさん、見たことがない。
だけど、これが〈彼〉なんだ。
恐ろしい〈魔物〉である、オスマンさんなんだ。
「オスマンさん…」
オスマンさんの声に反応して、ショッピさんが私から離れた。少し落ち着きを取り戻したようだ。
「…まさかショッピ君がそんな事をするとは思わなかったわ」
「っ、これは…」
冷めた声で淡々と話していくオスマンさん。それに対し、ショッピさんの顔は歪んでいった。まずい、とでも言うように。
私でも分かる。今のオスマンさんは危険だ。
オスマンさんがこんな風になるなんて、ショッピさんの反応からしても余っ程の事なのではないのだろうか。
だとすると、これはもしかして、私が絡んでいるから…？
私を守ると約束してくれたからなのか…？
確証が持てるわけではない。だけど、昨晩や今日の朝の彼の様子からも、その確率は高いと考えられる。
「どう見たって今のはAちゃんを襲ってたよな？それは見過ごせないで」
彼の天鵞絨のような瞳が鋭く此方を捉えている。
「なぁ、何か言ったらどうなん」
オスマンさんが手を動かそうとし、ショッピさんが口を開こうとしたその時、
なんとかしなければ…！！！
という思いが勢いよく出てきて＿＿＿＿
気付けば私はショッピさんに抱き着いていた。
『し、ショッピさんは、私が1人で走っていかないようにしただけなんです！！！』
「え…？」
「…は……？！」
目を見開き固まるオスマンさんとショッピさん。
あぁ、なんてことをしてしまったんだ。私の事が嫌だと言っているショッピさんに抱き着くなんて、我ながら馬鹿な事をしたと思う。彼にも申し訳ない。嫌な気分になってしまっただろう。
だけど、今の状況を打破するには何か強い衝撃を与える必要があった。この場の空気全てを壊し、彼らが動きを止める程の衝撃を。
『悪いのは私なんです！！』
考える前に動く癖、流石にどうにかしたい。
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ユドーフ(プロフ) - 怪盗Nさん» ありがとうございます！！！嬉しすぎます...自分の好みが怪盗Nさんにも好いてもらえて良かったです！頑張ります！！！！ (2020年2月19日 18時) (
レス) id: 7bf2f68390 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗N(プロフ) - 控えめに言います。最高です。真面目に私の好きなもの詰め込んでる作品です！更新頑張って下さい！ (2020年2月18日 18時) (レス) id: 0017a7a923 (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルーンさん» ルーンさん…！！発狂寸前だなんて…本当にありがとうございます！！はい！復活したので、また更新していきます！コメント毎回とても嬉しいです！本当に、本当にありがとうございます！ (2020年1月7日 0時) (レス) id: b6d5c53f52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーン - コメント失礼しまーす！！ はい…うるさいっすよね。だって一番最初から見てたから＾＾続編来たとき発狂寸前でした…インフルエンザ辛いと思いますが、頑張って治してくださいね！応援します！ (2020年1月2日 2時) (レス) id: 0c6e119b4e (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます！！そう思ってもらえて良かったです！とても嬉しい言葉をありがとうございます...！はい！！頑張ります！ (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9a9478c8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユドーフ | 作成日時：2019年12月17日 23時
