＊* ページ17
『っ、はい！ありがとうございます！』
そう言ったAの笑顔は、ほんまに綺麗で、花が咲くようにって言葉がぴったりやと思った。
シャオロンが良い提案をしたから俺ものったんやけど、ここまで喜んでもらえるとは思ってなかったわ。
何でこいつはこんな風に笑えるんや？
何かを綺麗だなんて思ったのは、何百年ぶりなんやろう…
俺はここのメンバーから、心が無いってよく言われとる。理由は、俺があまりにも効率主義者だからってのが主らしい。
せやけど、俺はそんな自覚全然無い。
ただ、確かに魔物としての血が濃いのも事実やと思う。純魔物やし。
だからこそ、この、Aとかいう人間の女の事を一瞬でも綺麗やなんて思ったのが信じられへんかった。
そもそも、たかが人間1人を襲っただけで何故あそこまで罪悪感を感じたんや？そんなの、俺は持ってへんはずやろ？
…いやいや、それはきっと、トントン達にキレられたら面倒やったからで……でも、あの時Aが悲しそうにしてたのは、なんか嫌やったし…
(何なんや、これ…意味分からん)
こんな複雑な感情、抱いた事がない。
自分が何をしたいのか、何故そんな行動をしたのか、理解出来ない。
まず、この人間が変なんや。
俺らの目を真っ直ぐ見てくる人間なんて、居ると思わなかった。
俺らに笑顔を向けてくる人間なんて、居る筈やなかった。
ほんまに、こいつは一体何なんや…？
「コネシマ、シャオロン」
「ん？」
「っ！！な、何や？」
考え事に集中していた為、突然呼ばれた自分の名前への反応が遅れてしまった。
「Aさんを守るって…例えAさん自身が許可したとしても、俺達は許可出来ん。またそれでお前らが襲ったりするかもしれへんやろ」
「トントンの言う通りや。俺は認められないわ。お前達はAちゃんに近付くべきやない」
トントンとオスマンの言う事はもっともだ。
確かにその通り。守ろうとして、逆にまた俺達が襲ってまうかもしれん。
せやけど、それでも……
「それでも、俺はAの事を守りたい」
思った事がそのまま口から飛び出ていた。
何でそんな事を言ったのかは自分でもよく分からない。
ただ1つはっきりしているのは、今俺が言った事が俺の本心って事だけやった。
「…俺もコネシマと同じや。何と言われようと、俺達はAの事を守るで」
シャオロンと俺は、Aとトントン、オスマンの前に立ち、強い決意と共にそう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 986人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユドーフ(プロフ) - 怪盗Nさん» ありがとうございます！！！嬉しすぎます...自分の好みが怪盗Nさんにも好いてもらえて良かったです！頑張ります！！！！ (2020年2月19日 18時) (
レス) id: 7bf2f68390 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗N(プロフ) - 控えめに言います。最高です。真面目に私の好きなもの詰め込んでる作品です！更新頑張って下さい！ (2020年2月18日 18時) (レス) id: 0017a7a923 (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルーンさん» ルーンさん…！！発狂寸前だなんて…本当にありがとうございます！！はい！復活したので、また更新していきます！コメント毎回とても嬉しいです！本当に、本当にありがとうございます！ (2020年1月7日 0時) (レス) id: b6d5c53f52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーン - コメント失礼しまーす！！ はい…うるさいっすよね。だって一番最初から見てたから＾＾続編来たとき発狂寸前でした…インフルエンザ辛いと思いますが、頑張って治してくださいね！応援します！ (2020年1月2日 2時) (レス) id: 0c6e119b4e (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます！！そう思ってもらえて良かったです！とても嬉しい言葉をありがとうございます...！はい！！頑張ります！ (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9a9478c8c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユドーフ | 作成日時：2019年12月17日 23時
