． ページ5
．
「……し、知らないです。御伽話ですか？」
「おとぎ話なんかじゃねぇ！！！！」
「うわっ！」
「いいか！海賊王ってのはな！！
この世でいっちばん自由なやつだ！！
俺はそれになるために！今から新世界へと向かう！！」
「えっと…？」
「ルフィ！いくらなんでもそれじゃわかんねぇよ！！
あー、そうだな…海賊王ゴールド・ロジャー。
奴は名の知れた大海賊で、海軍に捕まり死に際に
ある一言を放った。「俺の財宝を探せ」ってね。
それから大海賊時代が始まった……って
流石にしってるよな！！」
「…え？こ、ここは大海賊時代なんですか？！」
「はぁ？！」
そのあまりの反応の大きさと、ありえないような目。
ゾロや(キャプテン)ウソップのあんぐりした顔で
ようやく自分が間違っていると悟った。
と、いうことは。
さっき自分で考えた思いつきが現実になってしまった。
ここは、私のいた世界ではないのだ。
ここはもっと他の遠い場所。きっと宇宙の外からなにかか？
マルチバースってやつ？それはわからないが、きっと
何かの拍子に飛ばされてしまったのだ。
…おい
「……なに考えてる」
ゾロと言う奴が、刀を抜こうと姿勢を正す。
まるで大河ドラマみたいで、思わず声が出そうになる。
その悲鳴をぐっと胃に押し込んで、頭に働きをかける。
こういう場面で動く脳は本当に有能だなぁ。
「…いえ、私はきっと記憶喪失…というやつみたいです」
「そりゃ大変だ！！なぁルフィ！こいつやっぱり
近くの島の病院に連れてった方がいいんじゃねぇか？」
「う゛〜〜〜ん……でもよ〜」
「なんだよ〜！！悩むなんてルフィらしくねぇぞ！！
なぁゾロ！」
「……」
気が抜けない。
後ろの二人はきっと頭の軽い人達だ。
思考を主な媒体に生活をしていない、
野生動物のような人間。
緑の彼はきっと、どちらでもあるんだろう。
感覚的な嗅覚がとても敏感だ。
鋭く光るのは刀だけではない。彼の目は本当に
刺されそうな感覚に陥る。これは大物になりそう。
それに…………
そんなに厳しい目を向けられたのは
あいつ以来だ。
「…ひとまず、助けてくれる本当に感謝してます。
ルフィさん、ウソップさん、そしてゾロさん。
ありがとうございます。」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドーナツ | 作成日時：2023年9月2日 20時
