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こんなことはあるのだろうか。
目が覚めれば、そこは絶景の大海原
青々とした海に、ありえない数の船達。
そして…
見たことのない人間達。
(…おかしい、まるで中世の絵に閉じ込められたみたいだな…)
砂に手をついて、なんとか起き上がる。
汗でベタついた体が、なんとも気持ち悪い。
私はほんの、ついさっきまで
いつも通りに家で課題を済ませていたはずだ。
クーラーの効いた涼しい部屋で、夜ご飯を待ちながら…
(…今日は大好物の唐揚げだったのに…)
なんてこの期に及んで非常識な考えが浮かぶ。
…………
………
……
(…！そうだスマホ！)
そうだ！スマホさえ手に入れば！！
この発展途上国からでさえ、応援が来るはず！
流石に日本政府だって自国民を見捨てまい…
(…あっ…た)
「やった！！」
スカートのポケットをあさくると、そこには
触り慣れた四角の機械。
人差し指でさっさかと緊急連絡先に連絡する。
が、いつも聞くあの音は全く鳴らなかった。
「…な、んで…コールすら鳴らない…？」
そんなはずはない…
いくらアフリカであったとしても、未発見の島国で
ない限りは電話は繋がるはずだ。
それとも真逆、そんな大航海時代みたいな
ことが起きているとでもいうのか……？？
「…は、はは…そんなタイムスリップみたいなこと
なろう小説じゃないんだし…」
幼い頃はそんな夢見ていたが、この歳になって
そんなことは夢物語と気づいている。
早く現実に目を向けて、何か打開策を…………
……いやまて。
自分は今、何歳だ？？
あれ、お母さんとお父さんの名前は？
明日の学校の授業は？確かにメモしてるのに。
あのお友達の名前…なんだった？
好きなアイドルの名前は？あのアーティストは？
あれ？さっき私は…何政府といった？？
「私の……名前は？」
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2023年9月2日 20時
