真白のヒーロー (ページ5)

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私、白犀Aが二度目の生を受けたのは

なんと大航海時代ならぬ、大海賊時代であった。

前世では、敵(ヴィラン)との全面戦争の最中に

ギリギリのところで死柄木弔に敗北し

大好きだった一年A組の皆に後を託した。

はずだった。

なのに、気がつけば、おぎゃあおぎゃあ鳴いているし

親に捨てられるし、見た目で差別されるしで

散々だった。

転生の個性など聞いたこともないが、存在しない

だなんて、あの超人社会では到底口にできない。

もしかすると死ぬ直前でその個性にかかったのかもと

憶測しながら時は過ぎ、7つになった春。

『な、な、なんでえええええ！？！？』

デクくんの手紙に記されていた

ワンフォーオールが身に宿っていると(今更ながら)

気がついた。

『………夢は…誰でも笑顔で救い出す…オールマイトのようなヒーローになること…です…』

あの世界で私はそう言っていたはずだ。

デクくんが、夢の素晴らしさを

勝己が勝つことへの素晴らしさを

みんながヒーローと言う素晴らしさを

教えてくれたというのに

私は何をしているのか…。

そんな自己嫌悪に浸りながら、11まで

修行と言う修行を繰り返し、器を完成させた。

デク君が話してたように…10ヶ月なんて無理だったが

それでもフルカウル習得まではこなした。

＿＿恐れ知らずの笑顔で…助けてくれる…

オールマイトのような…！！

この大海賊時代には、あまりにも無惨な犠牲が多すぎる。

ヒーローを目指していたものとして…

何としても

平和の象徴となってみせる。

その覚悟を決めて旅立ち、巡りに巡り

あの島へとたどり着いた。

バスターコールと言う、無差別攻撃は

正義にまとわりつく犠牲にしては

適切な範囲を超えてしまっている。

勿論、正義を語れるほど立派だとは思っていないが

この大量虐殺を肯定する理由など＿＿

＿＿＿『あってたまるか！！！』

綺麗事を命懸けで実践し

何よりも困っている人を助けてあげたい

その心こそがヒーローの本質なんだと。

あの夜が、私の

平和の象徴としての

スタートラインだった。

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