真白のヒーロー (ページ13)

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センゴクはブラックコーヒーを飲み干し

言いにくそうに、声を出した。

「…私も…疑問は多い」

『…！！では』

「だがしかし…無公認のヒーロー活動は

世界政府から口うるさく止められている。」

『…そう、ですか…。』

歯ぎしりをしながら

悔しそうに下を向く、少女。

「…そこまでして、何がしたいんだ」

『…？』

センゴクは、前々から思っていた疑問を

待っていたように少女に問う。

「いや…部下から聞くにお前は、犠牲を絶対に生まない

と聞いてな。

二ヶ月前の、とある海賊が食った悪魔の実の暴走で

全身火傷を負いながらも、絶対に逃げなかった。

その前の、インペルダウン脱獄事件でも

海のクズ共を追い込みながらも

海軍本部を守ってくれた…。

あれは感謝している。

その前の、シャンティーユ王国での

大規模クーデターでも

お前は、元凶はかなり痛めつけたようだが

死者こそ出さなかった。

それを可能にする、その超パワーを持って尚

なぜお前は権力に立たないのか。

不思議なんだ」

センゴクの真っ直ぐな目は

Aの黄金色の瞳を貫く。

これは、答えを聞くまで

逃がさないだろうと

Aは、いちごジュースを一口のみ

当たり前のことを言うように答えた。

『夢です』

「夢？」

『ええ…幼い頃からの…私の夢です。』

懐かしむように

Aは、街ではしゃぎ、笑い合いながら

通り過ぎる人々を見ながら微笑んだ。

『どんな時も、誰でも、どんな場所でも

頼れるような最高のヒーローになると言う夢です。

…親も故郷も捨てて、絶望に追いやられた…

泣いている子が、笑ってくれればそれがいいです。

この世界の無情さに打ちひしがれても

楽しみ方を見つけてくれればそれがいいです。

責任ばかりの生活に疲れた人が

それだけが全てではないと知ってくれたらそれがいいです。

……。

私は…助けなくては行けないと思った時

勝手に足が動くんです。

理不尽に奪われていく人々に、光を当ててあげたいと

そう思う度に

心の奥から、無限に力が湧いてくるんですよ。

綺麗事を、命懸けで実践する。

ヒーローになりたかった。

それだけです。』

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