53話 ページ7
Aside
『は...ぁ...ッあ"あ"あ"ぁ"ぁッッ!!』
呪力の使用量を上げるほど、意識を失いそうになる。自我を保てなくなっていく。
本当に保てなくなったら、多分この術式に操られて、ここら辺にいる人たち全員殺してしまう。
耐えろ...耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ...!!!
『はぁ、はぁ、あ"ぁッ!』
早く、早く放て、放てば、あの、あの麗華を殺せる。お父さんを殺して、私の感情を奪って、美月を苦しめて、アクアを殺したあの、麗、華、を...
『はぁッはぁッ』
なんで?なんで足が、手が震えるの?
麗華が今までしてきたことに比べれば、こんなの、こんなの...
"妾がやってやろうか?"
『...ぇ』
その瞬間、意識を失った
千夏side
今日は本当に人格変動が多いのう
全く...
『...』
このまま、放てば...
『...ッ!?』
確かに、放った
しかし、妾が放った術式は、麗華のすぐ横を通りさって行き、麗華には頬が切れる程度の損傷しか与えられず、麗華は目を見開くだけだった。
『...はは』
『一体どれだけお人好しなのじゃ...』
『...』
それだけ、麗華を殺したくないのなら、人を殺したくないのなら。
別に無理をしなくてもいいだろう。
『...麗華』
麗華「.....」
麗華は返事をしない。
けれども妾は話すのを止めなかった
『今の気持ちはどうだ?』
『お前の手駒達は全員倒された』
『光と暗だってもう妾達に逆らう気力は無い』
麗華「...あ"ぁ"ッ!!!」
麗華はうめき声をあげながら妾の首を絞めてきた
麗華「お前の...せいだ」
お前のせいで!!
お前がいなければ!
私の計画は完璧だった!
全て上手くいっていたはずだったんだ!
お前が、お前がぁッッッ!!!」
『...フッ醜いのぅ』
麗華「!? お"前"ぇ"ッッ!!」
『これからはお前は孤独に生きていく。
金がいくらあっても、孤独は満たされない。
お前がこれから心を入れ替えて清く生きていくのなら、助けてやらんこともないが...多分それは無理じゃろうな』
麗華「はぁっはぁーっ...」
麗華「...ポロッ」
麗華が突然静かになり泣き出す。
それで油断させようというのか。
妾がまた麗華に話しかけようとすると...
"どいて"
『なッッッ』
Aの声が脳に響き、妾の意識は乱暴に掻き消されて行った。
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作者名:ちなつ ーtinatuー | 作者ホームページ:なし
作成日時:2022年5月10日 17時