喫 茶 店 . ( j w )

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都会とは程遠い郊外、駅から20-30分歩いたところにある、細い路地。


そこにひっそりと佇む小さなカフェで私は働いてる。


――カランカラン


｢いらっしゃいませー。｣


やっと客や。開店から3時間ぐらい経ってるんやけど(笑)


あ、またあのお客さん。


土曜日のこの時間になるといつも1人で来てる。


金色の髪に奇抜な服。


誰かを待ってるわけでもなく、なんか、暇そうなのにこんな暇な店来て何しよるん。



だいたいはウィンナーコーヒーとミルクレープ頼んで、

スマホいじってるか、雑誌読むか。



それを2時間は続けて、最後に水を1杯飲んでから帰る。


緑｢すんません、ウィンナーコーヒーひとつ。｣



｢はーい。｣


やっぱり。


この店は親戚のおじさんの自営業だから、基本2人だけ。


たまーに奥さんと3人でやったり、私だけの日もある。


とにかくゆるっゆる。でも居心地はめっちゃいい。



オーダーをとっても店が小さいから、声がキッチンまで届くし。



｢おまたせしました。ミルクレープはどうします？｣



緑｢あ、覚えててくれたん？(笑)今日はチーズケーキにしよかな。｣


｢そりゃ顔ぐらい覚えますって！少々お待ちください！｣


人が少ないからほとんどのデザートメニューは3つぐらいしか作らない。もちろんおじさんの手作り。


オープン前に全部作って、売れたらその日は完売。売れなかったら全部私の胃の中…。



｢チーズケーキおまたせしました。ゆっくりしてってください。｣


緑｢ありがとう。｣


こうしてお客さんに深く干渉しない。


地元の人にも愛されてるしね。

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