思い出の中のキクラゲ4

あの時あの場所で ページ3

「そういえばさ、


どうしてAちゃんは中華料理が好きなの？」



太陽が燦々と照りつける昼下がり。




コップを磨いてる亮さんが話しかけてきた。





前髪が目にかかって鬱陶しそう





それにしてもまつ毛長いなー。


バッサバサしてる。色素も薄いから琥珀色の瞳が良く映えて今日も美しい


もう女の子だよ、これは。





確かに、、、


言われてみればそうだ




どうして私は中華が好きなんだろう？








「前にAちゃんのお姉さん？と病院で会った時


実は俺Aちゃんの事についてお姉さんと話したことがあったんだよね。」



え？



「私の姉ですか？




さては私の悪口とか言ってたんじゃないですか？もう〜笑」




ニヤニヤして店長の方を見たら






「どうやったらAちゃん口説けますか？




って普通に聞いただけだよ。」






そう言って私の目を見ながら真顔で答える吉沢さん





そんなサラッと照れるセリフを言われると、動揺してしまう。




本当に吉沢さんは自分のその完璧なポテンシャルを理解してない。





「それでお姉さんに聞いたらね、




"Aはキクラゲ食べさせれば胃袋掴めますよ"





って教えてくれたんだ。




キクラゲ、Aちゃん好きなの？」





「はい、そうなんです。



あのコリコリッとした食感が堪らなくて.......







、




ん？





あれ、なんで私キクラゲ好きなんだ？」









、





夢でいつも思い出す光景がある。





家族で中華料理を食べてる映像




両親と優愛ちゃんと私がいる。




あと、ダレかいる？







.......思い出せない。







その時、







カランコロン





ドアが開いた。







「いやー今日気持ち良い天気ですね！



こんな日はお散歩日和ですよね。





そう思いません？ね、Aさん」






「"りゅうちゃん？"」









ん？なんだこの感覚






「ん？わたし今なんて言った？」







流星くんに今まで言ったことも無い名前で呼んでいた。



呼んでいたというより口が動いてた。





ナンダコレ。

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