順風満帆の日々 _店長 ページ3
「フランスでの"貴公子"が帰ってきた！」
「Ryo Yoshizawa 日本凱旋公演」
「多くのファンから愛された”イケメンピアニスト”が来日！」
「ピアニスト界の”期待の新星”」
.
「期待の新星、ねぇ......」
いつから期待される度に
自分の心が磨り減るようになった？
いつから歓声が怖くなった？
もう、俺の心は限界寸前だった。
.
思えば順風満帆な人生を送ってきた。
幼少期からピアノを習い、両親の愛情を目一杯受けて
兄や弟が自分の好きな事をやる中、俺はピアノに夢中になった。
譜面を読むだけで心が弾む。
弾く度に偉大な作曲家達と共鳴出来た気がした。
俺にはピアノしか無い！
ピアノが全てだった。
学校ではモテモテ...だったな笑
いつも女の子から告白されたら付き合ってた。
好きな子とかよく分からないし、そもそも入れ込む程相手に夢中になれず毎回申し訳ない気持ちだった。
だから男友達と話してる方が楽しかったし、女の子という存在にそこまで興味が無かった。
でもやっぱりカッコ良いとか言われるのは嬉しいし、ファンクラブとかも俺人気じゃん笑
とか自信になってて。
.
そして高校卒業後、もっと音楽について学ぶ為本場のフランスへ留学。
フランスでは見るもの全てが美しく輝いていて、
そこで自分が生活出来ている事に喜びが溢れた。
“なんて素晴らしい体験なんだ！”
"一生ここで暮らしたい"
本気でそう考えていた。
学校での新鮮な授業、ショパンやリストの新しい解釈
そしてパッヘンベルの
「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」
通称”カノン”
昔から何度聴いても癒されて、1番癒される曲。
俺の原点であり、辛い時この曲に何度も励まされた。
.
ルームメイトの賢人ともすぐに打ち解け仲良くなり、ちょくちょくコンサートも開けるまでに成長した。
.
そして時は経ち、日本とフランスでコンサートを開けばチケットは即完売。
街でも声を掛けられサインをせがまれ写真を撮る為に俺の行列が出来た。
いつから“貴公子”と呼ばれるようになった。
....俺は完全に調子に乗っていた。
周りへの感謝の気持ちも薄れ、横柄な態度を取り演奏への情熱以外の面はクズだった。
今思えばそんな俺を神様は戒める為にあの出来事を起こしたのかな？
それはパリで演奏をしていた時だった。
......指が、動かなくなったんだ。
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なこ - 全体公開に変更して頂いたんですね！迅速な対応感謝です。ありがとうございました。早速読ませて頂きます。 (2021年6月17日 19時) (
レス) id: ee2bdf7f3b (このIDを非表示/違反報告)
みつ(プロフ) - なこ様ありがとうございます。とっても嬉しいです。今全体公開に変更しました！引き続き楽しんで頂けたら幸いです。 (2021年6月16日 8時) (レス) id: 224514e532 (このIDを非表示/違反報告)
なこ - 1から楽しんで見させて頂いております。思い出の中のキクラゲ4を見たいのですがパスワードを教えてもらうことはできますか？ (2021年6月13日 9時) (レス) id: ee2bdf7f3b (このIDを非表示/違反報告)
みつ(プロフ) - yurinoeightkkr様、ありがとうございます。本当に嬉しいです！私の作品は文章量が多いので是非お好きな時間にお読み下さい(^^)これからも頑張って更新させて頂きます！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: d374b7eebd (このIDを非表示/違反報告)
yurinoeightkkr(プロフ) - 大好きです、、、！これからも楽しみにしてます (2020年5月26日 23時) (レス) id: 7540bfa5ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつ | 作成日時：2020年5月13日 23時
