Undulation【長谷川慎】

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濡れた足のまま、海の家へと戻る









壱「海入ったん？濡れたままやと風邪引くで」









どこからかタオルを持って来て、
私を座らせて足を拭いてくれる









チラリと向こうに目を移すと、
さっき波から救ってくれた彼がいた









壱「あいつは長谷川慎。
俺の弟みたいなもんで、Aと同い年」









へぇ、同い年なんだ









醸し出す雰囲気はとても大人っぽくて、









何だか艶っぽささえ感じる









壱「なんかされたん？」








「えっ、な、何もされてないよ」









下から私を見上げてニヤリと笑って、
こちらも意地悪そうに問いかける









慎「A…だっけ」







「はい…」









慎「よろしく」









いつのまにかこちらへ近づいていた彼は、一言残して、自分の持ち場へと戻っていく









またしても無愛想…
いや、まさかこの人も人見知りなのかな？









臣「珍しいな。
慎が自分から話しかけに来るなんて」









樹「そうっすね、基本待つタイプですもんね

あ、俺樹です。よろしくね」









グラスをみがく臣さんと、
その横で飲み物を補充する樹と名乗る人









またもや整った顔をしている人だ…









「お願いします」









ペコっと頭を下げたら、臣さんからの集合がかかる









臣「じゃあ皆、一回集まって〜」









部活のように小走りで臣さんの元へ集まって、円を描き集合する









私も慌ててサンダルを履いて、壱馬の横に並ぶ









臣「今年は長年の念願叶い、良い場所を提供してもらえて、開業資金も集まり…





ずっとオープンしたかった海の家の運営をすることが出来ます






営業を行うにあたって、後輩の壱馬、樹に声をかけたことから皆に集まってもらえた事、本当に感謝してる、ありがとう






此処は通うのに不便な場所だから、
夏が終わるまで宿も借りてる






色々好きに使って良いから、これからの営業、皆で頑張っていきましょう






そして、この海の家の名前は『RMPG』

Rampageの略で、暴れまわるっていう意味









ってな訳だけど…準備できてっか？笑








じゃあ、今年は最高の夏にしましょう」









そんな挨拶を聞き、臣さんをオーナーとして、海の家『RMPG』での夏が始まった








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