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「とにかく、大丈夫なら私もう戻るねっ...」

慎「おい」



何だか照れ臭くなって、広間に戻ろうと背を向けると、掴まれた右腕



慎「...また怖いの聞きに行く?」

「あ、忘れてた」

慎「忘れてたの?笑」

「...まさか慎。
その為に体調悪いフリしてくれたの?」

慎「...だったら?」

「っ!」




掴まれた腕に力が入り、グッと引き寄せられて、耳元で囁かれると、脳に直接響くいつもより低めの甘い声


慌てて胸を押して顔をあげると、上から私を見下ろして妖艶に微笑んだ


...同い年のくせに




「ばっ、ばか...真似しないでよ」

慎「お返し」




そう言って私の頭を撫でると、満足そうに笑った

ポケットに手を突っ込んで階段を上る慎について行くと、何故か私の部屋の前で立ち止まり、顎で扉を開けるよう促される




「自分の部屋行かないの?」

慎「いいじゃん」

「別に何もないけどな〜」

慎「ここの窓からしか海見えないの」

「そうなの!?
結構色んな部屋から見えるのかと思ってた」

慎「特別なんだってよ、Aは」

「そうなんだ...感謝だね」




扉を開けると、慎は前に部屋に来た時と同じように、窓の前に胡座をかいて、窓枠に腕を置いて外を眺めた


私も隣に座って、同じように外を眺めてみる




慎「天気悪すぎて海見えない」

「ほんとだ笑 海、好きだよね」

慎「海も好きだし、空も好きなんだよね」

「空って色んな色に変わって面白いよね、私も結構好きだな」

慎「よく休憩中空見てるよね」

「雲の流れとか見てたら時間忘れちゃうの笑」

慎「Aらしい笑」



あ、この顔...

気を許してくれてるのかな、って思う

普段あんまり笑わない慎が笑う瞬間

この笑顔、好きだな



慎「どんな空が好き?」

「そうだなぁ…赤紫色の空」

慎「すげぇ…」

「何が?」

慎「いや、俺もめっちゃ好き、赤紫色の空」

「ふふ笑 何だろうねこの会話」



お互いの好きな空の色を、天気の悪い日に話し合うこの状況に思わず笑ってしまう



「あーでも、東京の空より、地元の空の方が綺麗だった…かな」



そして、ふと何も考えずに発した言葉に、自分でも驚く

中学から高校を卒業するまでの六年間、私が過ごした故郷

お母さん…元気かなぁ



慎「そっか、Aの地元どこなの?」

「京都だよ、六年しか住んでなかったけど」

慎「それでもAが暮らしてた所でしょ?」

「まぁねぇ…」


慎「じゃあ、行くか、京都」



……ご冗談を。


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41→←39(慎side)



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(プロフ) - noahさん» noahさん、ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからも楽しみにしていてくださいね^ ^ (2018年9月10日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
noah(プロフ) - 更新たのしみにいています!いつも胸きゅんをありがとうごさいます!! (2018年9月9日 23時) (レス) id: 45dd6423d7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - nagiさん» nagiさん、ありがとうございます!有り難すぎるお言葉を頂けて、私は幸せです泣 素敵な慎を堪能して頂けるように、続編も頑張りますね!楽しみにしていて下さい! (2018年9月9日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆうなさん» ゆうなさん、ありがとうございます!きゅんきゅんして頂けて慎も嬉しそうです!笑笑 毎日チェックして貰えてるなんて…嬉しすぎます泣 これからも楽しみにしていて下さいね! (2018年9月9日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます!慎くんにもキュンキュンしながら読ませてもらってます!お話書くのめちゃくちゃお上手で…見習いたいです。 (2018年9月9日 20時) (レス) id: 7ff8abb7e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月8日 20時

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