Undulation【長谷川慎】

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海水浴を楽しむお客さんは、七月半ばへ進むにつれてどんどん増えていき、『RMPG』は順調に売り上げを伸ばしている


今日も皆で朝から準備をし、忙しく働いて、ようやく貰えた昼休憩



陸「なんか、最近お客さんさらに増えてきたよね〜」

北「そうですね、他の店に比べるとうちめっちゃ多い気がします」



毎日のお昼休憩は、時間こそはバラバラなものの、何人かで休憩が取れる様に臣さんが配慮してくれていて。

色んなメンバーと話せるから、今は毎日これが楽しみだったりする。


今日は、陸さん、北人さん、陣さん、慎、いっちゃんの5人とお昼ご飯を食べていた。



陣「お前ら知らへんの？何で今此処が人気なのか」

慎「何でですか？」

陣「あかんやーんエゴサしいひんと〜笑」

陸「陣くん最近ずっとSNSの画面開いてたのそれなの！？」

陣「せやで！評判って大事やから！」

樹「あ、出た。『リアルイケメンパラダイス』…？何すかこれ」



左隣にいるいっちゃんのスマホの画面を覗き込むと、検索をかけたSNSには『RMPG』に関して様々な書き込みがある。


ハッシュタグには『RMPG』の他に『リアルイケメンパラダイス』という数年前の人気ドラマのパロディの様なものが出来ていた。



「確かに此処は顔がいい人多いもんね、そりゃ人気も出るか…」

慎「樹さん、ちょっと見せて下さい」

樹「ん、いいよ」



真面目な顔でスマホに食い入る慎。


って、今いっちゃんのこと「樹さん」って言ったよね？



「えっと…北人さん！いっちゃんって、私と慎と同い年ですよね？」

北「ううん、一個学年違うよ」



衝撃的すぎて言葉が出ないってこういう事…笑



「…いっちゃん？何で嘘ついたん…ですか？」

樹「え？もうバレたのか〜

同い年の方が仲良くなれると思って」

陣「ぶはっ笑笑 子供か！！笑」

樹「だからA、無理して敬語も使わないで“いっちゃん”って呼んで？」


いっちゃんの小さな悪戯に騙され続けていてショックではあったけど、そんな猫みたいな目で見られたら、断れないに決まってるじゃないじゃないですか…


「…はーい」


慎「これ、Aの書き込みも沢山ありますね」

「私のこと？」

陣「せやねん！イケメン達の中に可愛い女の子が一人だけで働いてるっていう状況、アレに似てるやろ？」

陸「あー！だからイケメンパラダイス！」


…ネットの力って凄いなぁなんて、その時の私は、そんな事だけをただ考えていた。



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