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陸「あれぇ〜?Aちゃん飲まないの〜?」
壱「こいつ酒飲めないんすよ〜
まだギリギリ未成年で〜」
翔吾「えぇ〜飲ませたーい!!」
「あはは…」
いい感じに出来上がって語尾が伸びてしまっている方達に絡まれて、少し困っていた
慎「おい、ちょっと付き合え」
「え?ちょっ…」
腕を引かれて皆の輪の中から連れ出され、また彼の背中を前にしながら外へと歩みを進めて行く
案内してくれた時と変わらない視界だけど、ただ一つ違うのは、何故か繋いだまま離してくれない大きな手だけ
壱「あいつわかりやすいな〜」
翔吾「んん〜?なに〜?」
樹「飲み過ぎです、翔吾さん」
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「ねぇ、どこ行くの?」
慎「いいから黙って」
「…手、離してくれないかな」
前へと進む彼に問いかけると、こちらを横目で見て、ニヤリと笑う
あ、あの時と一緒だ
私の前に初めて現れたあの時、その表情に魅せられた
「え…綺麗…」
慎「気に入ってんだ、この景色」
着いた先は、海。それも、高く昇った月が水面に照らし出されてキラキラと光っている
太陽が照りつける昼間の海とは打って変わって、波の音だけが聞こえる、幻想的な空間。まるで私達二人だけ、別の世界に来てしまったような。
「なんでここに連れて来たの?」
手を離して、ポケットに手を入れた彼にそう聞くと
慎「なんか、見せてやりたいなって」
真っ直ぐに水平線を見ている慎の横顔は、凄く綺麗だった
慎「それに、困ってたろ。面倒なんだよ、皆酒入ると笑」
「仲良いよね、ほんとに笑」
なんだ、笑うんじゃんって、普通に接してくれた事が嬉しくて、頰が緩む
慎「まだ来たばっかで、わかんない事、沢山あるだろうけどさ。壱馬さんとか、陣さんとかいるし……俺とかも…いるし
だから、Aは一人じゃないから、いつでも頼っていいから」
「……やめてよ、何か調子狂うじゃん」
慎「おい、親切心返せ」
「嘘だよ笑 ありがとう、慎」
慎「っ…おう」
初めて呼んだ名前は照れ臭かったけど、綺麗な手で口元を覆う仕草を見ると、どうしようもなく可愛くて
「照れてるの?慎〜」
慎「うるせーな、やめろって」
波のような彼は、悪い人じゃないのかもしれない
“Aは一人じゃないから”
心から嬉しいと感じたこの一言に、慎に、大きく助けられる日が来るとは、この時の私はまだ予想もしていなかった
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蘭(プロフ) - noahさん» noahさん、ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからも楽しみにしていてくださいね^ ^ (2018年9月10日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
noah(プロフ) - 更新たのしみにいています!いつも胸きゅんをありがとうごさいます!! (2018年9月9日 23時) (レス) id: 45dd6423d7 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - nagiさん» nagiさん、ありがとうございます!有り難すぎるお言葉を頂けて、私は幸せです泣 素敵な慎を堪能して頂けるように、続編も頑張りますね!楽しみにしていて下さい! (2018年9月9日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ゆうなさん» ゆうなさん、ありがとうございます!きゅんきゅんして頂けて慎も嬉しそうです!笑笑 毎日チェックして貰えてるなんて…嬉しすぎます泣 これからも楽しみにしていて下さいね! (2018年9月9日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます!慎くんにもキュンキュンしながら読ませてもらってます!お話書くのめちゃくちゃお上手で…見習いたいです。 (2018年9月9日 20時) (レス) id: 7ff8abb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2018年8月8日 20時