74（慎side） ページ25
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慎side
慎「あの、壱馬さん、俺…」
壱「慎、俺今お前が言おうとしてること分かんで」
慎「え…？」
少しだけ困った顔で苦笑いして頬杖をつきながら、新幹線の窓から流れる景色に目を移す
壱「遠慮なんかせんでええから」
慎「…」
壱「お前の事やから
未だに俺に気使ってんねやろ」
慎「…すみません」
壱「ふ、謝られたら俺カッコ悪いやん笑」
やっぱりこの人には何でも御見通しだ
いつだって、俺が何かに悩んでる時は
いつも背中を押してくれた
Aの事だってそう、今だってこうやっていつでも俺が欲しい言葉をくれて
壱「前にも言ったやろ？慎とAが笑っててくれたらそれで俺はええねん」
慎「…壱馬さん」
壱「それに、何年お前ら二人のこと
見てきてると思ってんねん笑」
視線を俺へと向けた壱馬さんは、心の底から優しい笑顔を見せてくれて
壱「俺がAの兄ちゃんみたいなもんなのは、これから先も絶対変わることないから」
慎「…はい」
壱「だからお前も、大切な弟のままで居ってよ」
慎「…勿論です」
壱「伝わらへんか、これだけじゃ笑」
慎「…？」
壱「末永く、宜しくって事」
その一言で意味が分かってパッと顔をあげると、二人揃って俺より勘鈍いな〜と笑っていて
良い先輩を持った、と心から感じる
慎「任せて下さい」
Aの顔を覗き込むと、幸せそうに眠っている
初めて、一人の女性の事を守りたいと思って
こんなにも愛おしい気持ちは初めてで
でも、そんな風に想えるのは
これから先の人生できっとAだけ
末永く
その言葉の意味を深く胸に刻み込むと
壱馬さんの前の席で一人、
彼女を生涯愛そうと改めて心に誓った
壱「あ、そうや…」
慎「何ですか？」
壱「昨日良かったな翔吾にバレへんで」
慎「え、聞こえてたんですか？」
壱「Aの声一瞬で分かったで
勘弁してくれへんと、俺らも男なんやから…」
慎「申し訳ないです…」
翔吾「…んそうやでぇ〜…」
壱「…ぶはっ笑」
慎「…翔吾さん笑」
起きたと思ったら薄目で寝言を言い捨て
また眠りに落ちた翔吾さん
壱「んま、愛したったらそれでええか」
A
愛してる、なんて
そんな事言ったら君はどんな顔を見せてくれる？
愛してるよ、A
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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました！ (2020年1月11日 22時) (
レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 蘭さん» 楽しみでたまらないです！待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています！楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
★ - また慎くんで書いてください！ (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます！すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2018年9月10日 1時
