なんだか理解できてしまって… ページ8
後で話すとは言ったものの、何故だか機会に恵まれず…
結局私の口から語る事はなかった。それは必要がなくなったからだ。本日最後の授業中、窓は開いていないはずなのにふわりと空気が揺れた。
ふと視線を前にやると、左側に足が見えた。貴志君の机の上に妖怪が乗っていた。
「お前何かしたな。」
確信的にそう言うという事は、この妖怪と面識があるのだろう。顔の半分近くを布で覆った妖怪は、口元をにたりと歪ませて言葉を放った。
「悪いと思ったが、眠っている間にアサギをお前の中に入れさせて貰ったぞ。上手い事同化出来ているみたいだな。まぁ暫く協力願おう。」
妖怪のいう言葉が何故だか異様に恐ろしく感じて、私は気が付けば口元を押さえガタリと大きな音をたてて席をたっていた。
妖怪から悪意は感じない。だからこそ、恐ろしかった。
何か理由があるんだろう。こちらを害するつもりがないのはわかる。その筈なのに、恐ろしい。
「ほぉ、お前も見えるのか。」
いや、ちがう……
「女のお前の方が、より良かったかも知れないな。」
きっと似ているんだ。彼は私に似ている。
愛する者の為ならば、何でもする。そんな目をしていた。
彼が貴志君を何処かへ連れて行ってしまうような気がして、それが何より恐ろしかった。
それに気が付いた瞬間、急に立ち上がった私を心配してくれる声が聞こえてきて、答えなければいけないと喉を震わせた。
「すいません。気分が優れないので、保健室に行ってきます。」
「ひとりで大丈夫か?だいぶ顔色が悪いぞ。」
「大、丈夫です。」
きっと唯の考えすぎだ。
最近良い事が多すぎて、少し大げさに感じてしまっただけだ。
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89*(プロフ) - ぱららさん» ぱらら様 コメントありがとうございます。素敵だと言ってもらえて、とても嬉しく思います。更新速度が遅く、お待たせしてしまうのが心苦しくもありますが、年明けからは多少なり余裕が出来ますので、お待ち頂ければ幸いです。今後とも宜しくお願い致します。 (2020年12月21日 22時) (レス) id: 514fce46fd (このIDを非表示/違反報告)
ぱらら(プロフ) - とてもお上手な作品です!私は未熟者なのでとても素敵だなぁと思います!更新とか頑張って下さい!楽しみにしてます! (2020年12月19日 18時) (レス) id: 528bfd8f20 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - 日向葵さん» 日向葵様 お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。来月辺りから更新頻度を上げられればと考えておりますので、これからもよろしくお願い致します。 (2019年7月6日 16時) (レス) id: a2eb60a991 (このIDを非表示/違反報告)
日向葵 - とても素敵な作品です!!続きが気になります!! (2019年6月30日 16時) (レス) id: ea495e3633 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - 望月凛さん» 望月凛様 色まで塗って頂けるとは……補足は特にありません。それくらい作者のイメージ通りです。素晴らしいイラストをありがとうございます。 (2019年2月1日 21時) (レス) id: fe7ba8f509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:89* | 作成日時:2019年1月10日 23時