憎悪の声が追ってくる ページ17
「出来た！！」
私の意識を呼び戻したのは、喜びを全体に振りまいたかのような声だった。
あたりはもう暗くなり始めている。流石に寝過ぎた……
隣にいた貴志君も、先程の声で目を覚ましたようだ。
「今ならまだ間に合う……夏目、神城起きろ！いくぞ。」
力強く私達の手を引いて、アカガネは走り出した。何処に行くのかはわからないが、手を捕まれている為止まることは出来ない。彼のことだから、これもアサギの為なんだろう。
「アカガネ？如何したんです？」
柔らかい声が疑問の声をあげる。
「行っておいで。」
優しく紡がれたその声に、あたりの音が止んだ気がした。
「壬生様の所へ。今ならまだ磯月の森への道が開いている。」
やはり何処か親近感を覚えた。彼はアサギの幸せを心から願っている。好いた人に向けるその想いは、私と同じような気がする。
「……行っておいで、アサギ。壬生様にもう一度…」
完全に同じと言ってしまうには、自信がない。好きな人には幸せになって欲しいが、私の思いばかりをぶつけては居ないだろうか？
彼はそんな事考えないで、自然に、唯純粋に彼女の事を思っていて…
彼女もまた、彼の事を好ましく思っている。
……！
汚いことを考えてしまうのは、もう癖の様なものかな……
だから、こんなものを呼び寄せてしまったのだろうか？
「アカガネ、貴志君を連れて先に行って。」
「どうした、神城？」
「A？」
私の発言への疑問に足を止めてしまう彼らに、言葉を発するまもなく奴が来た。
「見つけたぞ！」
憎悪の様な声を震わせるのは、私が追い払った妖怪だった。
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89*(プロフ) - ぱららさん» ぱらら様 コメントありがとうございます。素敵だと言ってもらえて、とても嬉しく思います。更新速度が遅く、お待たせしてしまうのが心苦しくもありますが、年明けからは多少なり余裕が出来ますので、お待ち頂ければ幸いです。今後とも宜しくお願い致します。 (2020年12月21日 22時) (
レス) id: 514fce46fd (このIDを非表示/違反報告)
ぱらら(プロフ) - とてもお上手な作品です！私は未熟者なのでとても素敵だなぁと思います！更新とか頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年12月19日 18時) (レス) id: 528bfd8f20 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - 日向葵さん» 日向葵様 お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。来月辺りから更新頻度を上げられればと考えておりますので、これからもよろしくお願い致します。 (2019年7月6日 16時) (レス) id: a2eb60a991 (このIDを非表示/違反報告)
日向葵 - とても素敵な作品です!!続きが気になります!! (2019年6月30日 16時) (レス) id: ea495e3633 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - 望月凛さん» 望月凛様 色まで塗って頂けるとは……補足は特にありません。それくらい作者のイメージ通りです。素晴らしいイラストをありがとうございます。 (2019年2月1日 21時) (レス) id: fe7ba8f509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：89* | 作成日時：2019年1月10日 23時
