高校3年生

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「その、じ、女子が好きなもんってなんだ！」


「…え？」


「や、実はちょっとお礼してぇ奴がいて。」


「それって、あおいちゃん？」


なんでわかんだ？とか言って


首の後ろあたりをかく岩泉。


私知ってるよ。それ、照れてる時のくせ。


分かっちゃう自分に嫌気がさした。


「あおいちゃんのこと好きなんだ〜」


「あぁ、ってこれ恥ずかしいな。」


そんな幸せそうな顔で笑わないでよ。


私、失恋したよ？


って心の中では言えるのに。


「もっと言っちゃえってその様子だと私にしか言ってないんでしょ？｣


「いいのか？俺、こういう経験無いから色々教えて欲しいんだが、」


「あったりまえじゃん！私と岩泉の仲でしょ？なんでも手伝うし話も聞くよ。」


好きになった理由とか、


仲良くなったきっかけとか、


どこが可愛い


これが嬉しかった。


全部聞いた私はなんなんだろう。


友里の言葉が甦った。



「お人好し」



岩泉が練習に戻ったあとで、


我慢してた涙が一気にでてきた。


失恋しちゃった…。


いつ告白してれば良かったんだろう。


あおいちゃんと岩泉が出会う前？


ううん、多分きっとそれでも


私のことを好きになってはくれない。


仮に、良い返事が貰えたとしても


3年になってあおいちゃんと出会ったら


この恋は終わってしまうんだろうな。


もう何をしても叶わない。


私の思いが報われることは無い。


それなら、


私の思いは隠して、届けない。


2人の恋を、


大好きな人の恋を、


応援しなきゃ。


だから今日だけ、


今は1人だし、


友里には連絡すればいいでしょ。


ここで泣かせて。

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