変わりたい。2

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「夜久先輩！」


「高月か、今日遅いんだな。」


「ちょっと頼まれて仕事してました。夜久先輩は部活だったんですか？」


「うん。」


やっぱり元気無い気がする…


好きな人に久しぶりに会えたのに、


心配の方が大きくて嬉しくないです。


「夜久先輩、何かあったんですか？」


「え、」


「元気なさそうだったから…」


「高月には関係ないよ。」


部活も学年も一緒じゃないし、


こんな後輩になんて相談出来ないよね。


でも、関係ないはキツイなぁ。


「ごめん。八つ当たりした。」


「大丈夫ですよ。夜久先輩の八つ当たりだったら全然受けるので当たってください。」


「ちょっと待てそれは笑う」


「え、そうですか？」


なんか変なこと言ったかな…


「この後ちょっと寄り道できるか？」


「お母さんに連絡すれば多分…」


「ちょっとコンビニ行こうぜ。」


お母さんに連絡をしたら、


『二学期のテストが楽しみね♡』


ときたけれど、またどこかでちゃんと勉強すれば


いいだけの話なので


夜久先輩と寄り道します。


コンビニで私はチョコ、夜久先輩はアイスを買って


近くにある公園に行った。


食べてる間夜久先輩が喋らないから、


ずっと気まずいまんまで、


かといって私に会話スキルがないから


お互いが食べきるまで話さなかった。


「あのさ、話聞いてくれるか？」


「はい。」


「この前、大会があったんだ。3年生の最後の大会でさ。」


研磨くんも言ってた気がする。


試合には出れないけど、クロが出るって言ってた


夜久先輩も出たんだ。


「それの最後の試合で、勝ったら決勝だったのに最後のポイント俺がレシーブできなくて負けた。」


だから元気無かったんだ。


「引退した先輩達はお前のせいじゃないって何回も言ってくれたけど、守りの音駒でリベロやってる奴がレシーブ取れなくて負けるなんて恥だろ。」


「そんなこと…」


その先は言えなかった。


私に何が言えるの？


今まで友達もいなくて、


頑張ってる人はいつも見ていることしかできなくて


人と関わってこなかった私が、


夜久先輩を慰めることなんて出来るの？


バレーのこと何にも知らないくせに？


「先輩が練習に来なくなって、俺ら2年が部の中心にならなきゃいけないのに、あの試合思い出すとレシーブするのが怖いんだ。」

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