変わりたい。 (ページ25)

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夜久先輩だ！

「一緒に帰ろうぜー！」

「はい！」

パニックだよパニック！

でも嬉しい！

「なんだ？また緊張してんのか？」

「べ、別にしてないですよ！」

「ほんとかー？」

心臓が急にうるさくなってきた。

なんでだ心臓。

静まれ心臓。

「高月頑張ってるよな。」

「なんでですか？」

「部活やってる時お前の声聞こえた。」

「そんなにうるさかったですかね…」

バカでかいから聞こえたんだよね。

地味子が出しゃばったって思われるよね。

「だーっ、違う違う！」

「えっ、」

「友達いないって言ってた奴とは思えないくらいクラスに馴染んでるなって言いたかっただけだ！」

勘違いさせる言い方してすまんって

私の頭をなでる先輩。

褒められるのも

頭をなでられるのも

慣れてなくて、初めてで、

照れる…。

「あれから友達増えたか？」

「はい！同じ競技に出る人とはほとんど友達になれました！」

「頑張ったじゃん。」

「ありがとうございます！」

なんて話すのが久しぶりで嬉しい。

さっきまでにやけるの我慢してたけど

「ふふっ」

「どうした？」

「夜久先輩。」

「ん？」

「最近学校が楽しいです。夜久先輩が背中押してくれなかったらこんなに楽しめてませんでした。本当にありがとうございます。」

「だから照れるって言ってんだろ。」

家まで遠かったらいいのにって思うほど

楽しかった帰り道。

「明日、お互い頑張ろうな。」

「はい！頑張りましょう！」

手を振る先輩に振り返すわけにはいかないので

後輩としてしっかり礼をした。

先輩が背を向けてから

ちっちゃく手を振ったのは

内緒です。