ハグしてください〈ハイキュー短編集〉

牛島若利 ページ19

「わ、若利くん？」


「なんだ？」


「えっと…どうしたの？」


「会いに来た」


「それは嬉しいんだけど…その体制は何待ち？」


「？」


？じゃなくてさ、


普段全く来ない彼女のクラス来て


腕広げてるってどういう事態よ。


だいたい、付き合ってることあんまり知られてないし


ほらみんな驚いてるじゃん。


どうしてくれるの。


「ちょ、ちょっとこっち！」


若利くんの腕を引っ張って廊下のすみっこに。


不思議そうな顔しないで。可愛いとか思っちゃうから


「いきなりどうしたの？」


「天童にAが、寂しがっていると言われた」


「さ、寂しがってるなんて「だから来た」


「嬉しいけど、みんながいる前は恥ずかしいかな…」


「そうか。悪い。」


天童に怒りたいような感謝したいような…


「寂しがっているからハグしに来てくれたの？」


「そうだ」


今度は広げられた腕に飛び込んだ。


ハグするのも久しぶりって強豪校は大変だよね。


「若利くんはさ、寂しくないの？」


どうせああ、とか言われるんだろうな


そう思ったのに。


「寂しいというのはよく分からなかったが、さっきAが来てくれなかった時は無理やり引き寄せようと思った」


「無理やり！？」


「思っている以上にAがいないと俺はダメらしい」


「そっか」


実はそんなに好かれてないんじゃないか。


なんて思ってたから安心した。


「大好きだ」


「若利くん私も若利くんのこと大好き」


あ、笑った。


初めて見る幸せそうな笑顔に


心臓止まるかと思った

白布賢二郎#香奈さんリク→←松川一静

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