爆豪くんとちび 2 (ページ14)

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家族ページ14

「お母さん、聞いて欲しい話があるの。」

先生に外泊許可をもらい、

お母さんが、次の日仕事がなくて

私も学校がない休日に家に帰ってきた。

突然、娘が真面目な顔をしたから

いつも楽しそうに笑っているお母さんも

不思議そうにしながらも、真面目な顔をした。

あの日からずっと考えていることをお母さんに話す。

気まずくないまま生活してこれたのに

今更掘り返したら仲悪くなっちゃうかもしれない

そうも考えたけど、

私はちゃんと精算したかった。

前に進みたかった。

それだけの勇気を勝己くんがくれた。

事情は知らなくても、

心配してくれるお茶子ちゃんや切島くんがいる。

「お父さんのことで私のことどう思ってる？」

「…どういうこと？」

「私がいなきゃ、お父さんは今でも生きてたよ。お母さん、なんで私のこと責めないの？」

くしゃり、と顔を歪めたお母さんが泣き始めた。

久々に泣いているのを見た気がする。

「責めるわけないじゃない…寛己が守ったあなただもの。責める理由どこにもないよ」

お母さんがお父さんを寛己って呼んでいるのを

久しぶりに聞いた。

ううん、久しぶりというか2回目。

お父さんが死んじゃった日、

お父さんの亡骸の隣で名前を呼んでいたお母さん。

あの日から名前は聞いてなかったのに。

「寛己は、Aがヒーローになりたいって言うからかっこいいとこ見せないとなって毎日言ってたんだよ。産まれた時から何かある度大騒ぎして心配して、大切に大切にしてきたから、Aが助かってよかった。そう心から思ってるよ。｣

「お母さんがちゃんと話してなかったから10年も悩ませてごめんね…。Aがいい子だからそれに甘えてた。お母さんはAがいなきゃ良かったなんて1回も思ったことない。」

私の目からも涙が流れていた。

お母さんは本当に私のことを愛してくれている。

お父さんも。

「知らなくてごめんなさい…！！お母さんに嫌われてるんじゃないかって確かめるのが怖かったの！｣

お母さんの前で泣きじゃくるのは久しぶり。

その日は2人でお父さんの話をしながら

沢山泣いた。