爆豪くんとちび 2 (ページ30)

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私が見つめるテレビに映るのは

みんなが戦っている中継。

情報は漏れないようにヒーローだけに限定したものが

あんなに大規模に戦っていると

マスコミにもバレるようで、

たくさんのヘリコプターが飛び交っている。

どこだ、勝己くん。

あんなに心配をしておいて、

好きな人の活躍は見たい贅沢な私は、

何も用事がないのに任せて

テレビの前から離れなかった。

戦況は多分こっちに分がある。

そりゃあね、2個上のビッグ3に

私たちの代のビッグ3。

「頑張れ…！！」

中継からは、デクを呼ぶ声が多い。

この前のヒーローランキングで

1位、ホークス 2位、ルミリオン 3位、デク

という若手にして高い順位を貰っていた緑谷くんは

確実に平和の象徴となる存在。

エンデバーも引退してヒーローがいないと言われた

この日本に1位から3位のヒーローたちは

安心をくれた。

まぁ、勝己くんが1番凄いけどね。

テレビには、ボス的な位置の人とデクが

初期の頃から仲間だったように見える

5人が、爆心地、ショート、ルミリオン

サンイーターと戦っている。

他の敵はほとんど制圧されたのかな。

警察も増えてきている気が。

『オールマイト、エンデバーがいない不安な日本はもうありません！時代が変わっても私たちを救ってくれるヒーローはいます！！』

そうだよ、みんな見て。

かっこいいでしょう？

『ああっ！子ども子どもが入ってきました！』

アナウンサーの叫び声にテレビを見つめると

規制線を抜けて来たのか、

覚束無い足取りで歩く男の子はあの日の私に重なった

敵と戦っていた勝己くんが

その男の子に気づいた。

「…よかっ」

勝己くんが男の子を見て、振り返った瞬間

別のなにかに気づいて顔が歪んだ。

そのまま男の子を抱え込んだ勝己くんに

なにかが当たったのが見えた。

『…爆心地動きません。何があったのでしょうか』

「…いや」

お茶子ちゃんが男の子をかかえ

切島くんが支えながら運ばれる血だらけの勝己くんに

意識があるようには見えない。

「嘘でしょ」

私の声は誰もいない部屋に吸い込まれた