＊ ページ32
「学校じゃできない話なの？」
「ああ」
「聞かないとだめ…？」
「ああ」
私の手首を持ってずんずん進んでいく爆豪くん。
ちょっと足速いよ？
スペックの差わざわざ見せつけなくていいからね？
みんなが遅いのか、爆豪くんが早いのか
A組の寮には誰もいなかった。
もしかしてみんな気を使っちゃってくれてるとかかな
寮の中って普通科とあんまり変わらないんだな。
そりゃあそうか。
私の分もなのか分からないけど
コーヒーをいれてくれてる爆豪くん。
「こっち」
「ねぇ爆豪くん」
「あ？」
「私、よくわかんないよ。」
「なにが」
「爆豪くんが」
「持田」
爆豪くんの表情で自分がおかしいことに気づいた。
視界が揺れて、ちゃんとよく見えない。
「あれっ、なんで泣いて…」
「やっぱり来い」
引きずられるまま部屋に入って、
コーヒーを持った爆豪くんがあとから入ってきた。
なんで泣いてるのかも分からないし、
爆豪くんが何考えてんのかもわかんないし
キスされたことに関しては怖いし…
爆豪くん何も言わないなって思ったら
爆豪くんが頭を下げてた。
「えっ、えぇ！？」
「悪かった」
「や、あの…顔上げて」
「俺の話聞いてくれ」
「…ここまで来たし。」
私が床、爆豪くんがベッド。
聞いてくれって言った割には話しづらそうな爆豪くん
「無理して話さなくても…」
「怖がられたままは俺がキツいんだわ｣
意味がわからなくて首を傾げると、
苦しそうに話してくれた。
「俺のせいでオールマイトが引退することになっただろ？」
「爆豪くんのせいってわけじゃ｢俺のせいなんだよ」
「俺がもっと強くて、敵なんかに捕まらなきゃこんなことにはならなかったんだよ。｣
「それなのにクソデクはオールマイトに認められて、個性なんか無くて弱くて俺の後ろをずっと歩いてた癖に…｣
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作者名：なつなつき | 作成日時：2019年10月19日 21時
