爆豪くんとちび (ページ25)

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『警察に家いろって言われて出れねーから来い』

やっと返ってきたメッセージがこれって思ったけど

お母さんには友達のところ。と言って家を出た。

夏休みだし、私たちの勉強合宿は無くなった。

爆豪くんのおうちに来るのはあの時以来。

「はーい。あ、Aちゃん。」

「呼び出しくらいました」

「ごめんねー。あのばかつきは。」

「ばかつき…ふふっ。」

「1発入れてこようかしら。」

「大丈夫です！落ち着いて！！」

闇深いな。この家庭。

持ってきた手土産を渡して、

お母さんとちょっと話した。

「勝己は私らと話してたりすると普段通りなんだけど、部屋にいたりする時は悩んだりしてんのかなとか思うから、Aちゃん来てくれて助かった。」

「私で大丈夫かな…」

「大丈夫。むしろお願い」

2階にあがって爆豪くんの部屋のドアをノックする。

返事がいつまで経っても無いから

勝手にドアを開けた。

ベッドの上に寝っ転がってるから

寝てるのかと思った。

「ア？」

「呼んだの爆豪くんじゃん…」

「あぁ」

来ただけでキレられたのは少しショックだよ…

「家庭訪問終わった？」

「昨日」

「そっか」

この人なんで私のこと呼んだんだろ。

全然ベッドから起きてくんないし。

会話続かないし。それはいつもの事だけど。

林間学校も神野区のことも知らないんだよ私、

何も出来ないよ。

「おい」

「へ、へい」

いきなり声掛けられてびっくりしてへいって言ったら

ゴミを見るような目で見られた。しんどいです。

「こっちこい」

そう言いながら指したのはベッドの上

「爆豪くん寝てるじゃん…」

「座るくらい出来んだろ。ちっちぇし」

「一言余計です！」

端っこの方に腰掛けた。

することも無い、スマホを見る気にもならない。

爆豪くんの部屋綺麗なんだなー

とかお部屋鑑定来たみたいになってる。

静かな部屋に

ギシッ

ってベットのその音にさえびっくりする。

ふいに背中があったかくなった。

「…え？」

爆豪くんが後ろから私のことを抱きしめていた。

心臓がうるさくなるからやめて欲しい…。

全身が熱くて、上手く力が入らない。

それなのに嫌じゃない。

「ど、どうしたの爆豪くん」

私の質問に答えずに、

もっとぎゅってしてくるから心拍数が上がる。

「爆豪くん」

「ちょっと黙ってろ」

その言葉に何かすがるようなものを感じて、

抱きしめられるままにされた。