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はじめてのキス ページ8

じっと見つめられているような気がして、そっと顔を上げた。任務が終わった後、報告書を書くために教室にいるのは私と棘くん。実は最近、私と棘くんは付き合い始めたばかりだった。



「どうしたの、棘くん」
「……おかか」



ずっと見られていたから、何かあったのかと気になって、そう声をかけた。でも、彼から返ってきたのは何でもない、とただ一言。
でも、アメジストのような綺麗な瞳からの視線は一切私から外れることがなくて、とても恥ずかしい。仕方なく報告書を書くペンを置いて、私は棘くんの方を向いた。


「ツナマヨ、高菜、……おかか?」
「えっと、棘くん、それってつまり」


つまり、そういうことらしい。付き合い始めて間もない私たちだけど、手を繋いでくっつくことはあっても、キスから先のことをしたことはなかった。というか、そういうことをするのが恥ずかしくて、私がいつも「待って」と制止してしまうからだった。


「明太子」


もう待てない。そんなニュアンスの言葉が聞こえて、私の顔に伸ばされる手。ふにふにと優しく、棘くんの指が唇に触れる。


「ツナマヨ?」


してもいい? と可愛らしく首を傾げる棘くん。そんな顔をされてしまっては、止めようにも止められない。いいよ、と肯定の意味を込めて首を縦に振った。
目を閉じて待っていると、ほんの一瞬だけ柔らかい感覚が唇に舞い降りる。
目を開けたら、教室の窓から差し込む夕日が眩しいくらいだった。




──はじめてのキスは、まるでふわふわのマシュマロみたいだった。

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夜桜那月(プロフ) - 名無しさんさん» 声をかけてくださったのはとてもうれしいんですが、実は最近からプラスとしてTwitterであげていたものを載せるようにしたので、固定夢主のお話は書かないようにしています…。後出しなどもしないつもりでいるので、申し訳ないです…。 (2021年4月3日 19時) (レス) id: 91042caa9e (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 素晴らしい作品だと思います( ; ; )もしよければうちの夢主ちゃんと棘くんの話も書いて欲しいです( ; ; )それともやっぱり夢主の後出しは許せませんか?( ; ; )( ; ; )お返事待ってます( ; ; )( ; ; )( ; ; ) (2021年4月2日 12時) (レス) id: 4401f51803 (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - 夜桜那月さん» (o^^o) (2021年3月1日 21時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)
夜桜那月(プロフ) - あかり510さん» そう言っていただけてとても嬉しいです……! 更新はゆっくりですが、それでも楽しんでもらえたらと思います……! (2021年2月4日 18時) (レス) id: 9d9a951db7 (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - ((((((((((((((((((((すこすこのスコティッシュフォールド))))))))))))))))))))何言ってんだこいつ (2021年2月4日 18時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2020年10月22日 14時

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