Summer Rainbow. (ページ9)

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【09】あの日の出来事～Kazu～ページ9

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遡ること、数日前・・・─────

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雅紀「いよいよだね！」

和也「ん、でもまぁ……いつも通りやるよ」

オーディション会場の近くのカフェで、時間潰しに相葉さんとコーヒーを飲んでた。

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オーディションっつーのは、オーケストラのピアノ伴奏者選出のもので。

ピアニストを目指してる俺は、こういうオーディションを大切にしてる。

でも合格にすら、なかなか届かなくて。

それだけじゃ食っていけないから、ピアノ講師として仕事してるのが現状。

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雅紀「久々にニノのピアノ聴きたいなぁ」

和也「残念ながら予選は、非公開です～」

雅紀「・・・そっかぁ」

そこで俺が、絶対合格して本番見せてやるよ！と言いたいところだけど

ここ何回か連続で予選落ちしてるからか、そんな自信は湧いてこない。

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和也「あ、そろそろ集合時間だ」

スマホで時間を確認すると、集合時間の20分前。

このカフェからは数分した所にあるから、余裕を持って集合出来ると思った。

─────と、ここまでは何の問題も無かった。

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気が付いたのは、予選会場に着いてから。

スマホの電源を切ろうと、ポケットに手を突っ込んだ時だった。

・・・やべぇ、スマホ落としたかも。

こんな大事な時に限って！と自分の不運さを呪う。

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でも放置するのも落ち着かないし、と公衆電話から記憶を頼りに相葉さんに掛けた。

雅紀「えぇっ？！分かった。とりあえずニノのスマホに電話してみる」

和也「本当にゴメン。頼むわ」

すぐオーディションを受けなきゃいけない状況だったから、長くは話してられなくて。

全てを相葉さんに任せて、会場ホールへと向かった。

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そして、言うまでも無いが、その日のオーディション結果は『不合格』。

通知の手紙にその3文字が書かれてるのを見たのは、これで3回目だった。

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